フライ トウ ザ MOON歩み(215) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
よ~シ~ よ~シ~
よ~シ~ よ~シ~

晴れて ミンミンミ~み~
とせみが鳴いて
晴れてみたのだけれど
やっぱり
すぐにくもって
おおつぶのあめ


思いきや
オレンジ色のひだまり
あれあれ不安定な一日を
ゲームセンターのパノラマは
映していました。

お菓子の家の
魔法使いのおばあさんは
でっかいなべで
スープにもやしを入れて
おおきなしゃもじで
かきまわしていました。

”おばあさん、ただいま、”
と宙は言いました。

”お~、宙や、
帰ってこれたか?

どれどれ、
太ってたくましくなったか
このおばあに見せておくれ・・、”
とお菓子の家の
おば魔法使いのおばあさんは
いいました。

”宇宙スイカを食べて
たまご投げゲームもして
くろい月様にあって
くろいまるい月様を
もらってきたんだよ、”
と宙は言いました。

”そうか、そうか、
まるまる太って
羽根もしっかりしたのか?

ほほ~、
これは手羽先のだしに
 いいかもじゃな・・・、”
とおばあさんはちいさな声で
ほくそ笑んだ。

”おばあ、大男と約束・・・
したよね。”
とちいさな男の子は言いました。

”おぅ、そうじゃった、
そうじゃった、
残念じゃのぅ、

このもやしのスープに
宙の手羽先のだし
なんともいえんのじゃけど・・・、
残念じゃ・・・、”
とおばあさんは言いました。

”おばあ、おばあが
おいらの命を
大切にしてくれたのなら、
お父さんとお母さんが
仲が悪くて大喧嘩してても
ぼくは家に帰って
お母さんの悲しさを
解る努力をするよ。
そしてお父さんとも
仲良くくらすから、
その鍋でぼくを煮ないで
おくれよ・・・、”
とちいさな男の子は言いました。

”おぅ、そうか、
家出したくなるその気もちは
解る・・・、
そして 親を理解して
仲良く暮らしたいとそういいのかい。
それなら、帰っておやり。
親は喜ぶだろう・・・、”
とおばあさんは言いました。

”いいんだね、おばあ、
おばあにまだ
食べられたくはないんだ・・・、
まだ やりたいことがみつかったんだ、”
とちいさな男の子は言いました。

”そうだな、
大男に宝物も
もらったしな、
こうみえても おばあは
義理がたいと、ホホホホ・・・、”
としゃもじをまぜながら
言いました。

”おばあ、お寿司のみやげだよ、
もやしのスープと一緒に食べてよ、
だから、宙を食べないでよ・・。

ほんとはこころやさしいばぁだね、
ただ身近に食べ物がないと
鬼ばばあになる・・・、
悲しいね、

何か種を植えてみてよ・・・
おいしい作物が育ちますように・・・、”
と宙は言いました。

”宙、私のことを
そんなに考えてくれるんだね。

オ~イ、オ~イ、オ~イ、
今までそんなことを言ってくれるひとが
そばにはいなかった・・・。
ありがとう。
宙・・・。

さあ~、このもやしにラーメンを
いれるとするよ・・・、
よかったら
一緒にたべておゆき・・・、

楽しいの、
みんなでラーメンじゃ・・・、”
とおばあさんは言いました。

三人でたのしく
お菓子の家の食卓を囲んで
ラーメンをたべたのでした。

かじられていたテレビも
そのようすを
ほほえましく
みながら、電源をつけたり
消したりして
微笑んでいるようでした。

まだまだ
満天はおそらを
まよいまよいのラビリンス
くもを一面にはって
なつ本番を
まだまだ幕のうしろに
控えさせていました。