あさ さあ、
明けて
コピーされたような
うすいもりの道を
くるまが走っていました。
いつも運転席の横から
誰かを暖めるお日さまは
その姿は見えず
探さないとわからない
高い位置から 光を差し込んでいました。
道路わきの木々は
その高いお日さまの情熱に
当てられて
緑は濃い緑
葉のさきは 黄緑
その先は 花を揺らして
お日さまとつながろうとしているのを
生真面目な ゲームセンターのパノラマは
映していました。
そんな はるか彼方
まほうのランプの宇宙ステイションでは
なんと でっかい機関車が
宙の歌声で やってきていました。
”宙~ちゃん、
これが うわさに聞く
でっかい機関車なの?”
と小さな男の子は言いました。
”ん、 そう、
来たみたい・・・、”
と宙はいいました。
”で、まほうのランプは・・・?”
と小さな男の子は言いました。
”ここに あるまほうのランプと
くろいメガネをかけたウサギさんの言ってた
まほうのランプ・・・、
と宙は言いました。
”宙ちゃん、でっかい機関車の
扉が シューと開いたよ・・・、
あそこにも見て まほうのランプが乗ってる・・、”
とちいさな男の子は言いました。
”宙様、これでございますね。
くろいメガネのウサギさんの言ってた
まほうのランプは・・・、”
とあらしんは 機関車のまほうのランプを
手にして言いました。
”ふたつのまほうのランプ
まるで鏡に映したように
そっくりなんだ・・・”
と宙は言いました。
”さぁてと、
どちらかが 現実で どちらかが
幻のランプ
どっちが本物?”と宙は言いました。
”苦労してとってきたランプ
そらから幻のように現れたランプ・・・、
どちらを取るかだね、”
と宙は言いました。
”そうでございます。
花も実もある
質実剛健なランプこそ
本物・・・。
宙様は
どちらが本物かお解りなりますか?”
あらしんは言いました。
”くろいメガネのウサギさんは
ランプに頼るなって言ってた・・・。
宙は 心細いのに・・・”
と宙は言いました。
”だとすると?”
とあらしんが言いました。
”だとすると?”
と小さな男の子は言いました。
”解った・・・。
くろうしてとって来た
この宇宙ステイションで
取ってきたこのランプが本物・・・、”
と宙がいったとたん、
あらしんが手にしてた
まほうのランプは
跡形もなく消えていってしまいました。
”宙様、 すばらしいじゃ~
あ~りませんか・・・、
きっとこの長い旅で ご成長されたに
違いありません・・・。”
とあらしんは言いました。
でっかい機関車の車掌は
早い夏休みか何かで
おらず、
もう待てないかのように
ドアが閉まろうとしていました。
”宙ちゃん、これに乗ったら
月様まで すぐなんじゃないかい?”
と小さな男の子は言いました。
”ん、
きみどりの季節のでっかい機関車。
でも、まだ 宙の羽根は ようやく
少し大きくなったばかり、
この機関車には まだ乗れない・・・わ。
それに 宙は
自分の力で 飛んでいってみせる。
待っててね、月様、”
と生えかけのやや大きくなってきた羽根を
ふわふわさせながら、
宙は言った。
”そうかぁ~”
”そうでございますか、”
とみんなが言うか言わないくらいに
もうでっかい機関車は宇宙のそらに
あっという間に飛んでいっていました。
”あ~、行っちゃった・・・”
と小さな男の子はいいました。
”飛んでいきましたね、”
とあらしんは言いました。
”いいや、宙がそう、決めたこと
宙の人生は宙の人生・・・、
宙がいいなら それでいい・・、”
とちいさな男の子は言いました。
”それにしても
まほうのランプを手にいれたら
おなか すいちゃった・・・。”
と宙は言いました。
”お、ほんとだね、”
と小さな男の子は言いました。
満天は水無月の出来事が
過ぎ去っていくのを
悲しむように
大粒のあめが 降ってきていました。
つゆどきのあめのしろい光り
だんだん風が出てきて
しめりけが
そしてあめを降ろして
惜しむように大粒の涙
そしてよるのくろとなるのを
相変わらず生真面目な
コピーされたようなうすい森の
ゲームセンターの
パノラマは映していました。