水無月中旬のお日さまは
高く高く 高く上がり
上がるその位置を
はっきりと冬の位置とは
ちがう位置にあがり
うすいもりのすみびとたちの
おでこをあたためているのを
コピーされたようなうすいもりの
ゲームセンターのパノラマは
映していました。
そのはるか彼方のそらの
宮殿のような宇宙船では
宙たちが
あらしんという受付けに
迎えられていました。
”ん~、この丸い宮殿の宇宙船は
カレーのにおいがするね、”
と宙は言いました。
”ん、カレーのにおいがする、”
と小さな男の子は言いました。
”なんでだろう?ね、”
と宙はいいました。
”でも、いいにおいだ~
おなかがすいてきちゃった・・・”
と宙は言いました。
”ようこそ、
まほうのランプのある宇宙船へようこそ、
ぜひ、わたしといっしょに
まほうのランプをこの宇宙船のなかで
さがしにいきませんか?”
とあらしんは言いました。
”そのまほうのランプがみつかると
願い事ってかなうのですか?”
と宙は聞きました。
”お見受けしますと、長い間
旅をなさってきた様子、
この話は、そんな旅人に
願いをかなえるために
あるのです。
ぜひご一緒に探し出して
願いをかなえましょう・・・。”
とあらしんは言いました。
”そのまほうのランプというのは
この宇宙ステイションのどこにあるの?”
と宙はいいました。
”はい、この宇宙ステイションの
どこかの地下倉庫に かくれているはずです。”
とアラシンは言いました。
”宙という名前を地下倉庫の
ドアにかきこみますと
みごと そこが まほうのランプの
隠し場所となっています。”
とあらしんは言いました。
”えっ?
宙? 宙なの?
宙は 私のなまえ
それが パスワードなの?”
と宙はいいました。
”あなた様は宙さまとおっしゃるのですか?
さようでございますか?”
とあらしんはなにやら
意味深げに言いました。
”宙ってパスワードだって、
これは 不思議だね、そうなんだ”
と宙はいいました。
”それでは、
いざ、出かけましょう、”
とあらしんは
ふたりをつれだって
ふわふわ浮いて
扇風機の気流に乗り
飛び始めました。
宙たちもその後ろを
ふわふわ浮いて
扇風機の気流にのり
あらしんの
後について行きました。
そんなこととは
つゆ知らず
去年とおなじように
このころは 晴れのつゆで
にしからの
ほかほかトワイライトの日だまりが
一日の終わりを
告げにやってきているのを
コピーされたようなうすいもりの
ゲームセンターの
パノラマは映していました。
そしてだんだんくらくなり
天の真上に1つ星を
光らせているのを
映していました。