フライ トウ ザ MOON歩み(164) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
ちいさな地震速報が
ゲームセンターのコピーされたような
パノラマにテロップで
流されていました。

グレイの世界を
パノラマは映していました。
角度を変えると
遠き山に 煙りのような雲を
マフラーのように巻いて
満月の月様の粋なファッションを
おいらたちもというように
煙るマフラーを巻いて
気取っているのを
パノラマは映していました。

そのパノラマの
はるかかなたのそらの上の
ハイビジョンでは
”かぐやが月に降り立つことが
できました。”
とメディアが知らせるのを映していました。

”宙ちゃん、ほんとにかぐやは
月に着いたらしいよ。”
と小さな男の子はいいました。

”宙はかぐや姫が月様のところへ
来るって月様が言ってるのを
夢でみたんだ、・・・

かぐやとかぐや姫ちょっと似てたよね、
そうなんだ~、”
と宙は言いました。

”ま、それで、
この空間のハイビジョンが現れたわけだけど

今は宙ちゃんの物語を 映すのを
わくわくしてるみたいだね~、
このハイビジョン・・、”
と小さな男の子は言った。

”そうなんだ、
じゃぁ~つぎは・・・、と
おいらはいいやつ
やさしいやつと
ペリカン君が飛んできた・・・。”
と宙はスケッチブックに書きました。


”お~、ハイビジョンに
ブランコからだれか落っこちて
にじの彼方から
ペリカン君が飛んでくるのが
映ったよ”
とちいさな男の子はいいました。

”ユン・ユンユン、
いつまでここにいるんだい?と
くろいメガネをかけたウサギさんが
言いました。”
と宙は書きました。

”宙ちゃん、あそこも見て
ハイビジョンにくろいメガネをかけた
ウサギさんが現れたよ、あそこあそこ、”
とちいさな男の子は言いました。

”あ、ほんとだ・・・、

でっかい機関車が十六夜深しと
現れて・・・、
えっと、小さな女の子を乗せて
月様のところへ行こうと
ドアが閉まりました。”
と宙は書きました。

”宙ちゃん、でっかい機関車が
そらを飛び始めたのが
映っているよ”
と小さな男の子は言いました。

”え~とそれから~・・・”
と宙はスケッチブックに
お話を書き続けていました。

宙が書くお話がつぎからつぎへと
その空間のハイビジョンは
なんとすごい速さで
絵にしていくのでした。

”そしてその機関車が月様のところに
つくと~”
と宙が書いたとたん・・・。

そらとぶまほうのじゅうたんごと
宙たちはその空間のハイビジョンに
光とともに
吸い込まれていきました。

”なんだ~、わんだ~?
これは、”
と小さな男の子は言いました。


そんなこんなとは
つゆ知らず
いえいえ、そろそろ梅雨入り宣言

グレイのそらだったうすいもりの
パノラマは
ひと泣きしたあと 
今鳴いたカラスが
もう笑ったかのように
きれいにすんだ紺空に
天のおへそにひとつぼし
近くによりそうような
まばらな星星を映していました。