ちいさな地震速報が
ゲームセンターのコピーされたような
パノラマにテロップで
流されていました。
グレイの世界を
パノラマは映していました。
角度を変えると
遠き山に 煙りのような雲を
マフラーのように巻いて
満月の月様の粋なファッションを
おいらたちもというように
煙るマフラーを巻いて
気取っているのを
パノラマは映していました。
そのパノラマの
はるかかなたのそらの上の
ハイビジョンでは
”かぐやが月に降り立つことが
できました。”
とメディアが知らせるのを映していました。
”宙ちゃん、ほんとにかぐやは
月に着いたらしいよ。”
と小さな男の子はいいました。
”宙はかぐや姫が月様のところへ
来るって月様が言ってるのを
夢でみたんだ、・・・
かぐやとかぐや姫ちょっと似てたよね、
そうなんだ~、”
と宙は言いました。
”ま、それで、
この空間のハイビジョンが現れたわけだけど
今は宙ちゃんの物語を 映すのを
わくわくしてるみたいだね~、
このハイビジョン・・、”
と小さな男の子は言った。
”そうなんだ、
じゃぁ~つぎは・・・、と
おいらはいいやつ
やさしいやつと
ペリカン君が飛んできた・・・。”
と宙はスケッチブックに書きました。
”お~、ハイビジョンに
ブランコからだれか落っこちて
にじの彼方から
ペリカン君が飛んでくるのが
映ったよ”
とちいさな男の子はいいました。
”ユン・ユンユン、
いつまでここにいるんだい?と
くろいメガネをかけたウサギさんが
言いました。”
と宙は書きました。
”宙ちゃん、あそこも見て
ハイビジョンにくろいメガネをかけた
ウサギさんが現れたよ、あそこあそこ、”
とちいさな男の子は言いました。
”あ、ほんとだ・・・、
でっかい機関車が十六夜深しと
現れて・・・、
えっと、小さな女の子を乗せて
月様のところへ行こうと
ドアが閉まりました。”
と宙は書きました。
”宙ちゃん、でっかい機関車が
そらを飛び始めたのが
映っているよ”
と小さな男の子は言いました。
”え~とそれから~・・・”
と宙はスケッチブックに
お話を書き続けていました。
宙が書くお話がつぎからつぎへと
その空間のハイビジョンは
なんとすごい速さで
絵にしていくのでした。
”そしてその機関車が月様のところに
つくと~”
と宙が書いたとたん・・・。
そらとぶまほうのじゅうたんごと
宙たちはその空間のハイビジョンに
光とともに
吸い込まれていきました。
”なんだ~、わんだ~?
これは、”
と小さな男の子は言いました。
そんなこんなとは
つゆ知らず
いえいえ、そろそろ梅雨入り宣言
グレイのそらだったうすいもりの
パノラマは
ひと泣きしたあと
今鳴いたカラスが
もう笑ったかのように
きれいにすんだ紺空に
天のおへそにひとつぼし
近くによりそうような
まばらな星星を映していました。