フライ トウ ザ MOON歩み(158) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
つゆを
始めてもいいかなというような
きまぐれな梅雨時の始まりに

雨のしずくがドットドットと
落ちてきて
うすい森の水たまりに
水をはり 鏡が現れ
新しい雨の世界がそこに映るのを
ゲームセンターのパノラマは
シーンをカット割りして
映し出していました。

ラストカットのその水たまりには
はるか彼方の宙たちが
なんと映し出されていました。


そんなことなど
つゆほど知らずのふたりは
梅雨時の初めのどきどきの雨も知らずに
まほうのそらとぶじゅうたんの
上でガイドブックを開いていました。

”これ見て、すごろくになってるよ、
さいころを振って
ゴールが たまご投げゲーム会場らしい。”
と宙はいいました。

”え、そうなんだ、
スタート地点は、
この解答宇宙ステイションで
さいころを振りながら
え~と、にしへにしへと進むんだ、
なるほど~、
ひがしへ戻るのこまを引いちゃったら
ひがしへにしへになるようだね・・・、”
と小さな男の子はいいました。

”そうだね、
じゃぁ~、人生は一度しかないんだ、
さいころを振るよ~、
いいかい、そうぉれ~、”
宙はいいました。

”よぉし~ 頼むぞ~、ごきげんようだ、
えい!いいこまに進め・・・、”
と小さな男の子は言いました。

”1!
1が出た、
1個、にしへすすむと~、
このシールをめくってください。と
書いてあった、”
と宙がいいました。

”中に何が 書いてあるの?”
とちいさな男の子が言いました。

”1、進みました。
まずカミさまにガイドブックのお礼を言って
挨拶をしてから 進みます。”
って書いてありました。

”あっ、そうだ、
カミさま 宙たちは旅立ちます。
人生は一度しかない、
がんばります。
行ってきます。”
と二人で言いました。

すると カミさまは

”そうか、そうか、
行ってこい
かわいい子には旅をさせろじゃ
行ってみてごらん。
歩いてみてごらん。
やってみてごらん。

ここで、私たちは見守っているぞ!
へへへ、ヘックシュン、
扇風機を止めろ、
まだ そんなに暑くはないぞ、”
とカミさまは紙でくちを押さえて
鼻をかみました。

”行ってきます・・・。”
宙はいいました。

”げんきでがんばるのだ~ 宙~”
と手を振りながら
カミさまは 宙たちを見送った。

黒いメガネのウサギさんは
なぜか 禁煙パイポを口にくわえて
両手をうしろで組んで
静かに見守っていました。

”カミさまと新しいカミさまとの話し合いには
間に合ったね・・・、”
と電波時計がいいました。

”おぅ、急いで走ってきたさ・・・、”
と黒いメガネをかけたうさぎさんは
そっと電波時計につぶやいていました。


”何がなんだか解らないけど
とにかくたまご投げゲーム会場に
このガイドブックを頼りに
行ってみよう・・・。”
と 宙は言いました。

”じゃ~ 次はぼくがさいころをふるよ~
いくつが出るかな~、”
とちいさな男の子は 1の場所から
さいころを振りました。

さいは投げられた。

いよいよたまご投げゲーム会場までの
また 新たな歩みが始まったようです。

”いくつが出るんだろう?”
と宙は
ソラ空間にくるくると舞う
さいころがいつ落ちてくるのか
見つめていました。

ちょっと つゆの始めに降ってみた雨は
もうやんでいました。
うすいもりのみどりのけしきは
雨粒の水を吸収して 優しい濃い色に
変身しているのをもりのパノラマは
映していました。


ゲームセンターの片隅には
2008年のカレンダーがなぜか
かかっていました。

2008年6月5日は、ドッとドッとの雨
ちょっと降ってみました。
そして雨はあがっていました。

2008年6月15日地震と
だれかのメモが書かれてあり、

2009年6月5日は雨 そして雨が上がった
2009年はできれば、地震は来ませんように、
お祈りしています。
と書かれていました。