もりのゲームセンターのパノラマは
宙たちには 関係なく
必ずいろを変えて
天井に 移し変えていきました。
そして 今は
明るく薄暗いあさの光から
透明な 雨粒をサ、サ、サ、サ、サ、と
落ちてくる映像を映していました。
”あれ、冷たい、
なんだろう?”
と 宙が言いました。
”どうしたんだい。宙、”
とちいさな男の子は言いました。
”今ね、宙にあめが落ちてきて
ほっぺたが濡れたような気がしたんだ・・・。”
と宙は言いました。
”宙、 まさかね、
あのあめは ゲームセンターのパノラマだから、
そんなはずは ないだろう?”
と小さな男の子は言いました。
”ほっぺた・・・。
濡れてるような・・・?”
と宙が言いました。
”どうれ?
濡れてはいないよ。
気のせいさ・・・、”
とちいさな男の子は宙を見ながら、言いました。
でも宙の持ってるハンカチは
ほっぺを ふいた後で
なんだか、湿っていました。
”天井は雨模様だね、
パノラマは 森の奥のみどりの山々に
かすみをかけて 映してるよ、”
とちいさな男の子は言いました。
”えっと、飛び込んだはず???
なのに またふりだしなの?”
と宙は言いました。
”あめはあさからふりだし?
ぼくたちもふりだし?
そんな~ ばかな~”
と小さな男の子は言いました。
”ん、なんとなく、
ここって 振り出しのゲームセンターでなくて
コピーされたように
少し いろが違うんだ・・・、
う~さぶ~・・・、
いったいどこなんだろう・・・”
と宙がいった。
”あめ あめあめ
あめあめふれふれ
いっぱいふれ~”
とどこかで
聞いたような声がきこえてきました。
”あっ、
おおかみさんだ・・・、”
と宙は言いました。
”はいはい わたしが~
おおかみです。
君の名は?
お、どこかで~見たことのある
おじょうちゃんじゃ~
あ~りませんか?”
とおおかみがいいました。
”宙だよ。
宙、おおかみさん、
大中小の中じゃなくて
宇宙の宙だよ。”
と宙は言いました。
”お、宙ちゃんだ、
ここで なにをしてるだい?
あめには 濡れてしまうよ・・・。
はいおおきな葉っぱの傘をかしてあげるよ、”
とおおかみは言いました。
”あ~、ほんとだ~
あめが 落ちてきた~
冷たい・・・、”
と宙は言いました。
おおきな葉っぱの中で
おおかみと宙と小さな男の子は
あまやどりをしました。
”それで 宙ちゃん、
今度は どこへおでかけなんだい?”
とおおかみは言いました。
”んんっと、
パンくずを落としてきたはずなんだけど~
ここのゲームセンターには
落としてきたパンくずが見当たらないんだ、
変なんだ、ここは どこなの?
で なんで ここにおおかみさんがいるの?”
と宙はいいました。
”さあね、それが解れば苦労はない・・、”
とおおかみは言いました。
”そうなんだ~、おおかみさんも・
解らなくてさまよっているんだね~?”
と宙は言いました。
”こら、放浪者 のようにいうな、
それを言うなら 夢ある放浪日記といってくれ・・、”
とおおかみはいいました。
”宙たちは タマゴ投げゲームに向かっているんだ。
タマゴを投げてくろい満月の月様をもらいにいくんだよ・・、”
と宙は言いました。
”それって? もしかするともしかするな、
皆既日食のことか?
くろい 月様・・・、”
とおおかみは言いました。
”皆既日直って なあに?おおかみさん・・・、”
”違うよ、宙ちゃん
皆既 日食のことだよ・・、
いいかい?
皆既日食というのはな~、”
とおおかみ語り始めました。
コピーされたような
もう1つの世界のゲームセンターは
もうくろの世界に変わっていて
まだ透明なあまつぶを落としている映像を
映していました。
しかしここは
本当にあめが宙たちに
降り注ぐようにおちてきていました。