フライ トウ ザ MOON歩み(133) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
暗闇の中を

宙は 小さな男の子と一緒に

帰り道が 解るように

蛍光塗料を塗ったパンくずを

落としながら 進みました。


暗い闇は しばらく闇の中にいたら

闇の中でも うっすらと前がみえるように

なりました。




落としていくパンくずは

宙と小さな男の子の歩いた足跡のように

光って残っていきました。




ゲームセンターの天井は 

だんだん明るい照明となり、

もりのあさの天気が 映し出されていました。

きょうは 晴れ、

暑い日ざしが宙たちを 蒸していきました。





”暑いね、宙・・、”
ちいさな男の子はいいました。



”暑いね~”
と宙は言いました。


”タマゴ投げの会場はどこなんだろう?”
と小さな男の子はいいました。


”ん、どこなんだろう?”
と 宙は言いました。


”ここは もりに月様が出ないと
月のあかりは 映し出されないから
夜になると真っ暗になるね~”
とちいさな男の子はいいました。


”今は 月様はどこに行ってるんだろう。
月様は おなかいっぱいになると
なんだか いつもどこかに消えてしまう。

満月で 長いあいだ地上を 照らしていたことがないんだ、

いそがしいのかな~?”
と宙は言った。



”照明が 明るいうちに進もうよ、
宙ちゃん・・・、”
とちいさな 男の子は言った。



”くるくる回って歩いたね、

もし 迷ったら
おばあさんのところまで
帰れるのかな~?”
と宙はいいました。


”光るパンくずがあるさ、
ほら、足跡のように光ってる・・、

うしろに戻れば いいだけだよ・・、”
と小さな男の子は いいました。


”そうだよね、

ほら、あそこあそこ
曲がりくねった先に
何か 光がみえるよ、
ほら、あそこ・・・。”
と宙はいいました。



”ほんとだ、何か見える、
宙ちゃん 行ってみよう、”
と小さな男の子はいいました。


ふたりで くるくる道を回りながら
その 小さな光のほうに向かって
走り出したのでした。


ゲームセンターの中は
扇風機がまわっていて
少し冷房も きいてきました。


ゲームセンターのパノラマは
あっという間に夜

紺空にうすいくもをはって
うすいくものしじまを写していました。

宙の落としていくパンくずが
歩いてきた道をしめすように
星の足跡のように光っていました。