フライ トウ ザ MOON歩み(128) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
もりの水族館の オーロラビジョンでは

雨が サ サ サ サ サと 降り

さつきの雨のしずくを 

その画面に映してだしていました。



その雨は もりの一番咲きの葉や 若葉を大地に落とし

代わる変わるの自然の刹那を

とうめいな雨のしずくのプラウザに

きらめくように 写しだしていました。





その前で 宙は 星降るずきんをつけ、

少しだけ 力強くなってきた羽根を

フワフワ動かして

イルカ君たちと おちゃめに 笑顔で 踊るように

飛んでいました。



と そのプールにも 雨が 降り注いできました。

宙の羽根は 濡れて 重くなってきました。



”あ~・・・、どうしよう、
羽根が~、 濡れて~  はばたかなく、、なって、、”
とシューと 落ちてきそうになりました。



”宙ちゃん!、ぼくの背中にお乗りよ・・。

大丈夫だよ。

ぼくが みんなと 飛んでみせるから、

背中に乗って

いっしょに 飛ぼうよ、”

イルカ君が言った。




”ん、イルカ君、ありがとう、”
と宙は言いました。





”いくよ~、ラストさ、




そら 高く 高く より高く

雨より、くもより 高く

飛ぶよ~!いいかい!




ちゃんと 乗っているんだよ~”





”くものうえまで 行ったら、

いいかい、



もっと もっと フライMOONだ、

星降るずきんは 重力コントロールをする。




しばしの 宇宙旅行だよ



みんなもいいかい?”
とイルカ君は 言った。


”おぅ、いいともさ・・、”
とほかのイルカたちがいった。




仲間のイルカ君たちとだんだん スピードをあげて

助走遊泳を 勇壮に始めた。



ダ、ダ、ダ、 ダダダダダダァ ~~



”それ、宙、もっと もっとフライMOON~

いまだ・・・ 宙ちゃん・・・、”



”ん、いくわよ~~、



もっと もっと<<<
フライ MOON~ <<<



イルカ君たちと宙は 一瞬のうちにそらのかなたへ

飛んでいき 観客のまえから 消えていった。




”おぅ、 あそこだ あれは、鳥か スーパーマンか いや、ちがう、

イルカと女の子だ、”
と観客たちは そらの彼方高く 飛んで吸い込まれていく 



イルカ君たちと宙を 見あげた。





”宙ちゃん、その調子よ、

星降るずきんは 重力調整ずきん、

こころと 想いが いっしょになったら

もっと もっと 飛べるのよ、”

とおばあさんは そらを見上げながら 言いました。




宙と イルカ君たちが 虹の半円をえがきながら

飛んでいくようすは オーロラビジョンに

さつきのとうめいなあめのしずくとともに

映し出されていきました。




くもの空間をイルカ君たちと

すりぬけ 春の星座の空間に飛んできた宙でした。




北斗七星は ややかすんで 見えるが

おおくま座の一部 おおくま座のしっぽ

北極星は こぐま座のしっぽ

おおくま座とこぐま座は 親子の星座



うしかい座アルクトゥルス  おとめ座のスピカ

しし座のデネボラ 春の大三角

かに座 うみへび座

イルカ君たちと 星座の中を 泳ぐように飛んでる宙でした。



”あー! もっと もっと 宙はそらを飛べたんだ、

宇宙って きれい・・・。


月様はどこに~いるの~”

と宙は探しました。




”宙よ、そらは 危険で まだまだ

おれのところまでは 遠い、

がんばれ、いつか 逢おう、”



”え?なに? なに?


月様~ どこに~いるの~~~”

耳元でささやく声をきたような気がした宙は、

周りを見渡しました。



月様の姿は どこにも見当たりませんでした。




”さあ、宙ちゃん、そろそろ

大気圏突入 着陸するよ~”


”あ、待って 待って~ 
月様ぁ~が~ ・・・”


弧を描くように

イルカ君たちと宙は 着陸態勢に

入っていきました。



観客たちは その様子をオーロラビジョンで見て

今か 今かとそらを見上げて



イルカ君たちが 降りてくるのを

息を呑むように 待ち望んでいました。



”あ!、あれは? 鳥か スーパーマンか?
いや イルカ君と宙ちゃんだ・・・、

降りてきたぞ~・・・”



観客たちは そらを見上げて

待ち望んだ。


”あ、あれだ 降りてきたぞ~”



無事 着水、 

その優雅さは なんともいえませんでした。



”みなさん、きょうのショーは ここでおしまいになります。

お帰りは 順路にそって お帰りください。

ありがとうございました。”
とShowマスターがいうと

拍手が 沸き起こりました。



”おばあさん もっと もっと 宙 飛べたよ、

宇宙の星座を見てきたんだ、

月様の声が 聞こえたような気がしたんだ・・・、”
と 宙はいいました。



”そうかい、そうかい、よかったね、 宙、

でも 月様は 近づけば 近づくほど

苦しみの中にいるのだよ、

遠くからは きれいに光ってはみえるんだが・・・、”
とぼそぼそと話し出したおばあさんでした。



もりの水族館のオーロラビジョンは

もう くもが 一面に張られていて

そのすきまから 宙を惜しむように

だれかがそっと見守るように 紺空をほんの少し

のぞかせて 

透明な 雨のしずくを きらきら

映し出していました。