フライ トウ ザ MOON歩み(110) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
もりのあさは 

おだやかに 晴れて

過ごしやすい

春日和でした。



宙は また 久しぶりに

ひだまりに 起こされるまで

寝ていました。



そんな 夢の中で・・・、

月様がでてきました。



”宙よ、

すこし 大きくなったか?

もう、季節は 春じゃのう、

飛べるように

なってきたか?



今は まだ 姿は 出せぬが

また そうっと

そらに 隠れて

顔を出しにいくからな、

がんばって

飛ぶ練習を しておいで・・・。”

と夢の中で宙に語りかけていました。





”月様 宙、がんばるよ、

宙ね、月様に逢いたい

逢いたいんだ・・・、”
と宙は言いました。





”そうか、そうか、

待っておるぞ、宙、

飛んでおいで・・・、

握手をしよう。”

と月様が手を差しのべたとたん、




激しい光が まぶしくて

目が痛いほどにあたり

目を開けていられなくなった宙でした。




(月様、握手、~)




手をのばしても

光りがまぶしすぎて

手が 届きませんでした。





悲しくて 悲しくて

痛みをこらえながら、泣いていて

どうしたら いいか

思案にくれている宙でした。




辛い夢でした。




もう少しで 月様と握手が出来たはずなのに~

胸の痛み や 不安 が ぬぐえずに

ずっと

月様が現われた その場に

ひざまずいていました。




”月様~・・・、”




と叫んだところで

目が覚めました。





”あ~、夢だったんだ、
いつか月様に きっと逢えますように・・、”
と宙は
明るい日差しのなかで
つぶやきました。




”宙、寝ながら 涙 流してたぞ、
どんな夢を 見てたんだい?大丈夫か?”

ペリカン君が 聞くと、



”ん、ないしょ ないしょ ないしょの~ 
はなしは あのねのね・・、”




”宙、教えてくれよ、”
とペリカン君はいいました。



”だめだよ、これは ないしょなんだから、
でも、宙は もう泣かない、
大丈夫だよ、


また 飛ぶ練習をするんだ、


もっと フライ MOON~”
と宙がいいました。



”そうか、それならいいけどな、
夢の中でも 宙を いじめるやつがいれば
おれに言えよ、な・・・、”
とペリカン君がいいました。



”大丈夫だよ、



そんなんじゃないし、
いじめるひとにも きっと理由があるんだし、
そんな いじめにあったことないんだ、宙、
いつも ペリカン君がそばにいて
たのしいよ、




おもしろい人たちも出てくるし、ね、”




”そうだよな、
おかしいやつばっかりと出会うな・・・、

宙、よかったな、楽しいのは いいことだね。”
とペリカン君が言った。



もりのあおは 微妙に限りなく紺に近い色で

お日さまが沈んだあとのそらを

色どっていました。




そして くろのよる

うすい星を光らせて

動いていくちかちかの星を

遊ばせて 時が 流れていきました。