フライ トウ ザ MOON歩み(109) | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
もりのあさは、しめりけから
あめが しとしと降っていました。

若葉に あめのしずくが 降りて
深呼吸をするように
その青葉を しっとり 湿らせていて
色を濃くしていました。

”もっと フライ MOON~
 もっと フライ MOON~
 もっと フライ MOON~  ”
と宙は また 少しおおきくなった羽根で
古家の中を飛んでいました。

部屋の 止まり木のような
へんてこりんな 機械の上で
とまっていました。

”ほれ、ほれ、
宙、

かたづけしようよ、
古家のすみびとに頼まれたんだ~、

働かざるもの 食うべからずってさ、

まず 玄関のそうじ、

冬物もそろそろ片付けて、

灯油缶も そろそろ片付けて、

買い物したレシートも

そろそろ 片付けて・・・、”
とペリカン君がいいました。



”宙は 何を したらいいの?”
と宙はいいました。



”そうだな~、その羽根で
ほこりでも はらってくれ、

なんだか 
きょうはあさは
あめだったけど やんできたぞ~”
とペリカン君がいいました。




テレビが また、勝手に電源がはいって
まだ寒い地方で
露天風呂に入るはなしを
やっていました。


”このテレビ 好きなときに
映ってる、あいかわらずだね~、

もうそろそろ 地デジにしないのかなぁ~、”

ペリカン君がいった。


”もっと フライ MOON~
もっと安い 地デジ対応のチューナーが出回るらしいよ、”
と止まり木にとまりながら
羽根をバタつかせてホコリを払いながら、宙がいった。


”そうなんだ、今は2009年だね、
それは いいね、”
とペリカン君がいいました。


”ペリカン君、ケーキ いつ、作るの?”
と宙はいいました。

”かたづけが 落ち着いたらな、”
とペリカン君はいいました。

”そうなんだ、楽しみ~”
と宙はいいました。

”トラねこさんのバイクのおとがする、
宙、郵便うけ 見てくるね、”

軽く浮きながら 
宙は お手紙を取りにいきました。


”ね、ペリカン君、
スプリングシャトウから、
お手紙がついたんだ、

拝啓

宙ちゃん、飛ぶ練習していますか?
こちらは また新しいひとたちに
もっと飛ぶ方法を 教えています。

宙ちゃんも よかったら、
夏ごろで いいので
遊びに きてくださいね、

敬具

って書いてある、ペリカン君”
と宙はいった。

”そうか~ また いこうな、
夏には また 大きくなってるんだろうか、
ね、その羽根は~?”
とペリカン君がいいました。

”ん、宙、がんばるんだ、
月様に逢いたいもん・・・”
と宙はいった。

”宙、こんなところに
宝くじがでてきたぞ~、
そうじは してみるもんだね、”
とペリカン君がいった。

”なに?たからくじ~?
どうか、あたっていますように”
と宙はいいました。

”よし パソコンで検索して~、
どれ
1等、はずれ
2等、はずれ
3等、はずれ

ざ~んねん
はずれだった、

でも よかった、

またこれで 働いてがんばろう、

まだ 働いてくださいってことかな?”
とペリカン君はいいました。

そんな こんなで
もりの夜は更けていきました。

紺空に
しろいくもの幕をうすく張って
うすい星を 浮かばせていました。

月様は 天におらず、
また どこへ 行ってしまったのでしょう。