もりのあさは、しめりけから
あめが しとしと降っていました。
若葉に あめのしずくが 降りて
深呼吸をするように
その青葉を しっとり 湿らせていて
色を濃くしていました。
”もっと フライ MOON~
もっと フライ MOON~
もっと フライ MOON~ ”
と宙は また 少しおおきくなった羽根で
古家の中を飛んでいました。
部屋の 止まり木のような
へんてこりんな 機械の上で
とまっていました。
”ほれ、ほれ、
宙、
かたづけしようよ、
古家のすみびとに頼まれたんだ~、
働かざるもの 食うべからずってさ、
まず 玄関のそうじ、
冬物もそろそろ片付けて、
灯油缶も そろそろ片付けて、
買い物したレシートも
そろそろ 片付けて・・・、”
とペリカン君がいいました。
”宙は 何を したらいいの?”
と宙はいいました。
”そうだな~、その羽根で
ほこりでも はらってくれ、
なんだか
きょうはあさは
あめだったけど やんできたぞ~”
とペリカン君がいいました。
と
テレビが また、勝手に電源がはいって
まだ寒い地方で
露天風呂に入るはなしを
やっていました。
”このテレビ 好きなときに
映ってる、あいかわらずだね~、
もうそろそろ 地デジにしないのかなぁ~、”
と
ペリカン君がいった。
”もっと フライ MOON~
もっと安い 地デジ対応のチューナーが出回るらしいよ、”
と止まり木にとまりながら
羽根をバタつかせてホコリを払いながら、宙がいった。
”そうなんだ、今は2009年だね、
それは いいね、”
とペリカン君がいいました。
”ペリカン君、ケーキ いつ、作るの?”
と宙はいいました。
”かたづけが 落ち着いたらな、”
とペリカン君はいいました。
”そうなんだ、楽しみ~”
と宙はいいました。
”トラねこさんのバイクのおとがする、
宙、郵便うけ 見てくるね、”
と
軽く浮きながら
宙は お手紙を取りにいきました。
”ね、ペリカン君、
スプリングシャトウから、
お手紙がついたんだ、
拝啓
宙ちゃん、飛ぶ練習していますか?
こちらは また新しいひとたちに
もっと飛ぶ方法を 教えています。
宙ちゃんも よかったら、
夏ごろで いいので
遊びに きてくださいね、
敬具
って書いてある、ペリカン君”
と宙はいった。
”そうか~ また いこうな、
夏には また 大きくなってるんだろうか、
ね、その羽根は~?”
とペリカン君がいいました。
”ん、宙、がんばるんだ、
月様に逢いたいもん・・・”
と宙はいった。
”宙、こんなところに
宝くじがでてきたぞ~、
そうじは してみるもんだね、”
とペリカン君がいった。
”なに?たからくじ~?
どうか、あたっていますように”
と宙はいいました。
”よし パソコンで検索して~、
どれ
1等、はずれ
2等、はずれ
3等、はずれ
ざ~んねん
はずれだった、
でも よかった、
またこれで 働いてがんばろう、
まだ 働いてくださいってことかな?”
とペリカン君はいいました。
そんな こんなで
もりの夜は更けていきました。
紺空に
しろいくもの幕をうすく張って
うすい星を 浮かばせていました。
月様は 天におらず、
また どこへ 行ってしまったのでしょう。