フライ トウ ザ MOONno.83<クリスマスキャロル>⑥ | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
ゆうれいと仕事場のひとは
宙たちが 起きるのを
ずっと 庭で待っていました
そうぅと窓から
ようすをうかがっていました

きょうもここのすみびとは
留守でした
あさのパンが きょうも
なぜか ひとつしかありませんでした
”宙、おなかすいてるけど、
ふたりで半分こにしような・・”

”いいよ、そうしよう、
きょうもパンを与えてくださいまして
ありがとうございました、
宙はまだ 羽根がはえてこないので
飛べません まだは働いて
パンを買うことができないです
おそうじを手伝いました”
と 宙はいいました

”そうだよね、どんなにがんばっても
できるひととできないひと
どちらも一生けんめい生きてるよね、
たとえば 予期もしない事故で
働けなくなったりもするんだ、
そんなときに やさしく手を
さしのべてくれるひとがいたら
嬉しいな・・
ぼくの羽根を一枚ピカピカで
あげるよ”
とペリカン君はいいました

”ここのすみびとさん、
パンをありがとう・・
なかったら 
おなかすいて死んでしまいそう”
と宙はいいました

”森の道や橋だって
途中できれたらたいへんだしな、
できる人に感謝して、
ちゃんと使ってくれるひとと
握手して 歩けることが
ほんとに嬉しいね”
とペリカン君がいいました

”ぼくは、できるひとに
なりたいぞ!宙、”
”がんばって、
私も飛べるようにがんばるよ”
と 宙がいいました

古家の外は
つめたい湿り気で
久しぶりの雨で
黒のアスファルトを
濡らして光らせていました

はっとすると
仕事場のひとは
未来のゆうれいと
お墓にたっていました
”これは だれの墓だろう”
と仕事場のひとがいいました