満天のそらは
紺にしろの紗をかけて
しめりけとうすぐもり
三日月だけが ぼっと浮かび
お疲れ気味でさみしそう
現実は奇なり
木星と金星は見えず
そんなことは
よくあるものだ
雨とならず
暖かい日だったし
ありがたい
月様 苦笑いなりにも
ほほえんでいた
いと いと いとし
”では、ボート競走を
これより、始める、
カヤック組と
公園のボート組にわかれる”
と
しろいダウンコートを着た
ウサギがいった
”宙は 何とか公園の
足こぎボートならこげるよ、
それにする、”
と
宙はいった
”よぉし、ふたりでこぐぞ”
と ペリカン君がいった
古家のとなりのすみびとは
相変わらず 家の前で
大きな足音をたてて
地ひびきさせていて
自分の立てている音は
恥ずかしくないようだったが
短い時間で切り上げていた
ボート競走にも
無関心で・・・・・
寒いそらなれど
森のすみびとたちと
熱く ボート競走を
楽しんだ
その夜
宙は 月様の夢を
みていた