満天は紺色のビロード
白のくもを紗にかけて
そらに厚みをかけて
立体的に 彩り
360度
地平に白のおびをかけて
しらませている
月様は今晩はどこかにおでかけ
2度3度、天をあおぐが
どこにも みつからない
宙と自称ペリカン君は
森の駄菓子屋のまえにいた
もう、おつきの家来たちや
気むずかしい武将や姫さまたちは
どこにも見あたらない
森の奥のほうへ駆けていく
ウサギがいた
”いそがなくちゃ、いそがなくちゃ、”
と 電波時計をみながら いった
”チョコは買ったの?”
と 電波時計がいった
”駄菓子屋のばあさんに売れ残りを
もらった”
と ウサギがいった
”待ち合わせの時間は いいの?”
と 電波時計がいった
”だまれ!!!”
”ちこくだ、ちこくだ、”
と あわてて駆けていく
足音が ひびいていった
”まってぇ~、ウサギさん”
と 宙が 追い駆けようとしたら、
”お嬢ちゃん、あまいものはいらんかね?”
と 駄菓子屋のばあさんに話しかけられた
”えぇ~?、いいんですかぁ~?”
と宙がきくと
”チョコとはちみつ、どっちがええだ?”
と、すかさず、あいかわらず自称二枚目ペリカン君が
”チョコ”といってチョコをもらいました
”じゃあ、う~んと、宙は、はちみつにする”
と いって はちみつをもらいました
駄菓子屋のばあさんは 燃えるゴミと燃えないゴミと
二つのふくろに店のまえのゴミを分けて
ひろって ガラガラと店のシャッターを閉めて
閉店しました
宙と自称二枚目ペリカン君は
チョコとはちみつをもって
ウサギのたてた足音を追って駆けていきました。