事業所の職員が恐れることの一つが介護事故である。

その中でも、転倒による骨折、誤嚥による窒息が一番怖い。

各事業所には事故対策チームとして委員会が設置されている。私もその一人だ。

介護施設は医療機関ではない為、生活の支援がメインである。そうであるがゆえに、身体拘束が安易に行われないように法で規制をされている。

例え認知症が重度で、独歩で、転倒の危険性が高い方であっても椅子に縛り付けたり、ベッドに縛り付けたりは出来ない。

そういった方も自由に施設内を歩き回れるのだ。

しかし職員は転倒をされたら大変だと、その方と一緒にどこまでも付いて歩く。どこの施設にも一人か二人は必ずそういった方がおられると思う。

私もかつて介護職員として勤務していた頃、何十人もそういった方を支援をしていた。

やらねばならぬ業務は遅れ、「付いてくるな」と罵倒され、叩かれ…

それでも転んだら自分の責任になると、ひたすら一緒に歩き回った。

正直きつかった。

今、立場も職種も変わり思うことは…

事故を100%防ぎきるのは現状では不可能であるということだ。
そしてそれを介護職員に求めるのも残酷すぎる。

大事なのはどれだけ予見性をもって、予防策を講じていたかだ。それは過去の裁判事例を読んでも明白である。

それともう1つ大事なのが記録だ。

話がこじれ、万が一訴訟になった場合、事業所側に裁判所から記録物の提出を求められる。そこに日々の状態変化の様子と、それに伴う対応方法の記載がどれだけ書かれているかが鍵となる。

管理者や職場長はリスクマネジメントの視点を持って、記録の方法や対応方法等の指導していく必要がある。現場に全て丸投げの管理者は、そもそも必要ない。

それが日頃体をはって頑張っている職員を守ることにもつながるのだから。