前回のブログで、犬が副腎がんの手術をしたことを書いたのですが、術後の病理検査で周囲の脂肪部分に浸潤が発見されました。人間だったらこのあと、抗がん剤治療をやるんだよね。犬も同じ。

 

 しかし、抗がん剤は副作用がキツい!! 私は経験者だから余計に思う!! 私は耐えられる範囲内だったけど、犬のQOLを著しく下げてまで予防的抗がん剤をやるべきか!? これもものすごく悩みました。

 

 獣医さんから提案された術後の治療は3つ。

 

①抗がん剤

②Nsaids(非ステロイド抗炎症薬)によるがん予防。

③免疫療法

 

抗がん剤をやらないとなると、残る術後補助療法は②と③。

②の治療法も、論文は出ています。が、うちの犬はステロイドを飲んでるから今、併用はできない。却下。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/28/4/28_132/_pdf

 

③の免疫療法は、一番副作用は少ないけど、実効性はまだ未知数。人間のがん治療だと、民間療法のくくりになるから、主治医からは勧められません。がんセンターとかでやれる、認可済みの保険医療ならエビデンスも確かだけど、現状はそうじゃないから。そのことは獣医さんにも丁寧に説明をされました。あとこの免疫療法、めっちゃ高い。二週間に一回、75,000円かかる。正直人間(自分)だったらやらないね! エビデンスもまだ不確かだって言われてるからね!!

 

 だけど犬だとやってしまいたくなるのよーーーー!!!。゚(゚´Д`゚)゚。

 

 だって犬ですよ!? キツいつらい抗がん剤治療はさせたくない!! 10才未満の犬だったらやるかもだけど、うちのあーちゃんは12才、人間でいうと64才くらいなんだよーーー!! あれっ、64才って考えると意外と若いな?? 今の64才ってめっちゃ元気で、旅行とか不倫とかしてる人いるよな!? 旅行はいいけど不倫はするな!! いや他人の不倫なんかどーでもいいんですよ犬、犬ですよ問題はあああああ!!!。゚(゚´Д`゚)゚。

 

 これ、自分のことじゃなくてもし家族ががんになって「免疫療法をやりたい」って本人に希望されたら、副作用や標準治療に悪影響がないなら、やらせてしまうと思うんだよね。自分自身ならやらないけど、家族とか犬だと揺らぐのよーーー!! そういう感情につけこんだ詐欺みたいな高額民間療法が蔓延しているから主治医の顔が曇るのである!! 知ってる!! なのに犬だと迷う!!

 

 獣医さんは「エビデンスはまだ不確かだし、高額だから強くは勧めません。当院でも続ける人はあまりいません」って正直に説明してくれたの。これが悪徳獣医だったら絶対やらないしその病院にも行かないけど、正直で腕のいい獣医さんにそう言われると逆にやりたくなるというジレンマ!! 複雑な人間心理!!! エビデンスは確立していないけど、獣医さんで蓄積したデータでは免疫療法をやると予後が良いらしい。

 

 大体私、自分のがんの時は個室料金すら惜しんで一泊2000円の大部屋に入院しているのに(静かで清潔で快適でした)、なぜ犬だと金銭感覚がバグるのかねえ!? それは、犬だから…犬、かわいいから……とりあえず1回目は予約してしまいました。続けるかどうかはわからない。獣医さんも「免疫療法のお陰で元気なのか、もともとただ元気なのか、証明はできないですからね~」と正直に説明してくれた!! 獣医さんが良心的すぎて震えた…。とりあえず今、犬は元気です。  

 

 犬の平均寿命って15年くらいだから、がんにならなくても余命3年くらいの可能性は否めない。考えるとつらいんだけど、それは仕方ない。命とはそういうものだ。人間だけが自分の命について特殊な認知をしているだけで、犬は『未来』について考えない。犬にあるのは『今』だけなの。だから今この瞬間も全力で可愛がるわよ!!(゚Д゚)