婦人科で、医師からの心ない言葉に傷ついて、通院や治療をやめてしまう女性がいるのは知っていた。
「もう年なんだから子宮いらないでしょ」とか。そりゃ自分で言うのはいいけど、他人が言っちゃダメだろう。いるかいらないかなんて、本人にしかわからないんだから。慰めのつもりで言うのかもしれないけど、ぜんっぜん慰めにならないし、失礼だわ。

 とにかく診察に不必要な年齢のことや生殖能力、性行為関連のことは軽々に口にしないでほしい。診察に必要なことならなんでも問診してほしいし、積極的に答えます。年齢はカルテに書いてあるし、婦人科で性行為や生殖のことを聞かれるのは当たり前だからそれはいいんだけど、『言い方』の問題です。不必要に茶化したりするなってこと。

 私の主治医はそのへんの『余計なことを言わない』言葉選びが慎重だったから信頼できた。

『治療とは無関係な、余計なことは一切言わない。特に年齢や生殖、性行為に関すること、容姿に関する不要な発言は一切しない』って大切なことです。一般の会社のコンプライアンスと同じ。無駄に人を傷つけたら、治療(仕事)に支障が生じてしまう。

 

 婦人科だからって絶対に女性医師である必要はないけれど、高齢の男性医師のほうがそのへんの配慮に欠ける話をよく聞くから、どうしても女性医師を頼りたくなってしまう心理はある。病気でつらい時に無駄に心まで傷つきたくないし、病院でケンカもしたくないものね。

 その点、初診で受けたレディースクリニックと、後に手術と抗がん剤治療を受けた総合病院の女性医師はとても良かった。治療は厳しくても、間違ったことは言わない、コンプライアンス的に余計なことを言わないって本当に大切です。

 

 共感的な優しさが欲しい時は、がん相談センターやカウンセラー、家族や友人を頼るべし。救命救急や緊急手術を引き受けている医師には、時間的余裕がないから。
 【正しい分業】で、【限られた医療資源】を平等に享受しましょう。

 

 

「何をしゃべれるかが知性で、何をしゃべらないかが品性、どう伝えるかが人間性」 

 

 うろ覚えだったので検索したら、スピードワゴンの小沢一敬さんのご発言らしい。

 まさに私もやばいので拳拳服膺。