45度線分析の乗数効果と同じような考えです。


信用乗数(あるいは貨幣乗数)は、銀行に預けられた預金が派生的にどれだけの預金を生み出すのか(マネーサプライがどれだけ増加するのか)を示すものです。


銀行には預金があるが、その預金すべてを貸し出しに回せるのではないです。


預金の払い戻しに応じるため、預金の一部を準備金としておく必要があります(支払準備金)。



ハイパワードマネーH=C(現金)+R(準備金)


マネーサプライM=C(現金)+D(預金)


で表します。


信用乗数をmとおけば、


M=m×H


と表すことができます。



m=M/H=(C+D)/(C+R)


で、分母と分子にそれぞれDで割れば、


m=M/H=(c+1)/(c+r)


c(現金預金比率)=C/D

r(法定準備律)R/D


となります。


結論として、cやrが上昇すれば、信用乗数は小さくなるということは覚えておきたいところです。


【問題】法定準備率が0.2、市中銀行は超過準備を保有せず、公衆は預金のみを保有すると仮定する。このとき、ハイパワードマネーが50兆円であるとき、マネーサプライはいくらか。


【解説】

m=M/H=(c+1)/(c+r)

より、c=0、r=0.2です。本問は、すべて預金に回すという設定なので、c(現金預金比率)=0です。


よって、m=(0+1)/(0+0.2)= 5倍


∴ M=m×H=5×50=250兆円。


※もし、現金預金比率が1だったら・・・


m=(1+1)/(1+0.2)= 1.666・・・倍


∴ M=m×H=1.666・・・×50≒83.3兆円。


現金預金比率を上昇させると、派生的な預金が生じないため、Mは小さくなルということが確認できます。