夜中 下◯で目が覚めて
トイレに駆け込んだ。
ふだんならなんてことないが
点滴のスタンドと移動しなければならない。しかも電源も外して、と手間がかかり危うく失敗しそうだった。
そのおかげで目が覚めて
ひかちゃんのことを思い出してしまった。
亡くなる5ヶ月前の1月
ジュリーの横浜ライブを観るのを兼ねて
ひかちゃんと横浜の娘のところに
行きライブ前に3人で浅草観光をした。
ひかちゃんは
その時すでに体調が悪くなっていたが
自分ではあまり言わない人だった。
私は娘と買い物に夢中で
(そんなにたいしたものでもなかったのに)
ひかちゃんが「トイレに行ってくる」と言ってもついて行くでもなく
そのまま店にいた。
あの時どうして
ついて行かなかったのだろう。
優しい嫁でなかったと今になって思う。
ひかちゃんの不安に寄り添えていなかったわたし。
もしかしたら
そんなことがいっぱいあったのかもしれない。
ごめんね、ひかちゃん。
ただわたしは病人扱いでなく
普通のように生活を送ってほしかった。
その思いが強すぎたのかもしれない。
答えの出ないことばかり
考えてしまう4年目の6月。