いろいろあって
本当にいろいろあって
なかなか母に会いに行けなかった
しかし!!
もう90歳のコブタ(母)なので
いつ何があってもおかしくない
グズグズしていたら会えなくなる
体調も良い、天気も良い
仕事も良い具合に無い![]()
施設に電話し
「今日の午後はご迷惑ですか?」
とダメ元で聞くと
あっさりOK
帰りは夕方遅くになるので
夕飯の下拵えをして出かける
コブタが世話になっている施設(特養)は
実家に程近く
駅からの道のりは相変わらずのんびりしているが
抜け道になっているのか車の往来がずいぶんと激しくなって
道の真ん中をフラフラ歩いていたら
車に轢かれそうになった
一見変わらないようでも
やはり40年の年月で変化はしているのだ
空が広い![]()
暗くなると一人歩きは怖い
施設に到着し
面会ロビーに母を呼んでもらう
熱を出していたそうだが
食欲もあり元気とのことで
ホッとした
腰の骨をポッキリ折ったのは一昨年のこと
未だに車椅子ではなく歩行器を使えているのは
施設の方々のご厚情にも負うところが大きいと拝察する
ありがとうございます![]()
もう
私のことを娘と認識してはいないと思うし
以前はスマホをかざすと画面がぼんやり見えていたが
今はほとんど見えていない
だが
話しかければ単純な会話は普通に出来るし
難しい話をする必要もないので
手を握って
歌おうよ、何歌う?
と言うか言わずかで
……
あ〜か〜い〜〜りん〜ご〜に〜![]()
と
待ってましたとばかりに歌い出す![]()
次!!
青い山脈はどうだ?
と私が歌い出すと
言葉がたくさんあってテンポが早いせいか
どうも歌詞が続かない
すると
…わからない…覚えてないよ![]()
と
すぐしゅーーんとするので![]()
間髪入れずに次の曲を歌う
コブタのためというよりこちらの脳トレである
童謡や文部省唱歌ならよかろう![]()
と
もみじ、まっかな秋、里の秋、虫の声…
どんどんかぶせると
どんどん歌う![]()
しかし
以前は下のパートをすぐに歌い出したが
もうそれが出来なくなって久しく
少し寂しい
しかし
さすがコブタ
高熱を出した後でも食欲は衰えず
私の何倍も脂肪を蓄えているだけのことはある
途中一度トイレに行ったが
それ以外はほぼ歌いっぱなしで
1時間40分![]()
やはり
食べる人(食べられる人)は元気である
鶏ガラのようなワタクシからみれば
羨ましい限り![]()
ワタクシは父似の肺虚なので
現コブタの年齢90歳までは到底生きられまい
ああ
健啖なコブタが羨ましい![]()
楽譜も見ないで2番も3番も覚えててすごいねえ
覚えてないわよ!歌えない![]()
歌えてるよ?
と言い合いながら次々歌う
仰げば尊し
で
私は一番は覚えているけど2、3番は覚えておらず
コブタはしっかり3番まで歌うので
私は卒業式に仰げば尊しは歌わなかったのよ
だから一番しか知らないの
と言ったら
あら、そうなの?何を歌ったの?
と急にしっかりした声で
眼にもはっきり光が宿って驚いた
そんな母の記憶を捕まえたくて
その瞬間に出会いたくて
ずっと手を握ってさすってリズムを取って歌い続けた
私は声が嗄れても
コブタはどんどん声が出てくる![]()
脂肪の力の偉大さにここでも平伏す
誰もいない広いロビーは程よく響いて
コブタ親子のオンステージとなり
たまに通りかかる施設の方からの
あたたかな応援と声がけが嬉しい
ねえおかあさん、
良い声だ、てみんな褒めてくれてるよ![]()
プロだったんですか?て![]()
(いくらなんでもそりゃないだろーと思うが
)
あらーー、それほどでも〜![]()
出た!!コブタ節![]()
気付けば外が暗くなっていて
受付からケアマネさんが慌てて出てきて
ごめんねるみさん
あまり楽しそうに歌ってたから気付かなかった
疲れてない?
夕食前にちょっと休もうね
本来は面会は1時間くらいのようだが
私も楽しくて
やめ時がわからず時間を忘れてしまった
おかあさん、楽しかったね
一緒に歌えてよかった、ありがとね
また歌おうね![]()
うん、楽しかったね、また歌おうね![]()
一緒に歌ったオバサンが自分の娘だという認識は
母にはもうないと思う
でも私が母と歌って過ごした時間は
間違いなくここにある
あと何回こうして一緒に歌えるだろう
面会は一人の入居者あたり月に2回までである
体調を整えてまた来よう
早速来月の面会予約を入れた
次回も
コブタもワタクシも元気に面会できますように![]()
ホントは4番まであるのでした![]()
次回は最後まで歌うのが目標![]()

