呼吸器科受診翌日は
眼科受診日でした
呼吸器科の病院は
電車利用はすれど自宅から行きやすいですが
眼科は
25年前からかかっているセンセーを追って行ったため
初めは都内の大学病院でしたが
今は片道1時間半はたっぷりかかる
横浜の病院まで通っております
行きの電車の中
二日連続の病院通いに
ちょっとぐったり
せっかく毎月横浜に行くのだから
港の見える丘とか中華街とかとか行けば良い気もするけど
主治医も黙り込むほど病気の進行が早いワタクシにとって
受診はいつも気が重く往路から足も重く
どこかに遊びに行くエネルギーはほとんどありません
…て
アンタさっきから
文句ばっかりやん
そうだ。
楽しいこと、考えよう
ホントは病院なんかじゃなくて京都とか伊勢とか沖縄とか行きたいけどー
せっかくはるばる出かけるのだから
少しでもお出かけ気分にしようと
病院のカフェ(ここはここでなかなか良い!)以外でお茶を飲んだり
低予算おひとりさまランチ開拓を目論んだり
しようではないか
娘も巻き込み
ランチ候補店を二軒ほどピックアップしましたが
いざ横浜駅に到着してみると
2軒とも病院へ向かうバス停と反対出口だったので
そこで呆気なくプロジェクトは終了
だって横浜駅って広いですもん
どこでも良いから米粒を食べさせてくれるお店を探すも
駅到着時間は正午10分前で
どのお店も混雑しています
考える間も無く
そこにあった沖縄料理屋さんに飛び込むと
入るなり店員さんたちが
めんそ〜れ〜
わーーー
いいねいいね
さっきまでクサッていたアタクシ
一瞬にして心の暗雲吹き飛び
気分はすっかり
沖縄〜
イタリア料理のカジュアルなお店でよく
Benvenuto(ベンベヌート)〜
(ようこそ〜、いらっしゃいませ〜)
とか
Buon giorno(ボンジョルノ)‼︎
(こんにちは!)
とか言われるけど
その一言で
あ〜イタリアに来たわ〜
なんて思ったことない
対してこの
「めんそーれ〜」
はどうよ
すぐにでもバックステージから
ネーネーズが出てきて
三線弾いて歌い出しそう
要するにアタクシは現実逃避して沖縄に行きたいんだわね
くちゃくちゃな心の皺が一気に伸びて
サラリーマンのオジサンたちに混じって
ゴーヤーチャンプルー定食(+食べ放題のお惣菜!)を残さず元気に美味しく食べて
まずは本日のミッション1
「新規開拓店にてゴキゲンおひとりさまランチ」
は完遂
お腹の重さと軽い眠気と共にバスに乗り
病院に到着しました
食後のお茶は病院内のカフェで
沖縄ごはんのあとはやっぱり
さんぴん茶(カフェにジャスミンティーがあります)
ね
これで本日の沖縄旅行は
さらに完璧
(お手軽〜)
診察はいつも通り
たいしたことは何もなくて
いつも通り?のセンセーとの会話
D(ドクター)「ストレス溜めるなよー」
M(私)「いや〜そうは言っても同居の義父母は高齢ですしね、老夫婦の積年の恨みつらみの応酬の間に立って、なぜか嫁も大変なんです」
D「あーー離婚で退職金とか年金分割とかねー、他人事じゃねえなあ」(なぜかセンセー自分の話)
M「センセー、奥様と喧嘩したらいつも奥様が正しいですからね、先に謝らないとダメですよ、そして常にありがとうを言ってくださいね」
D「あーー、いつもあっちが正しいのは真実だからなー」
M「どっちが正しいなんてこの際どーでも良いですから、とにかくごめんなさいとありがとうですよ‼︎」
D「だよなーー」
定年が目前となり
センセーは色々身につまされているらしい
隣の助手?の女性も爆笑してます
そしてセンセーがやおらポツリと
「オレ、誰も治してねーんだよな。誰一人、治せねえんだよ」
えっどーしたの
いやいやいやいや
いきなりど真ん中の本音言われても困ります〜
センセーは緑内障専門医だから
スッキリ治すというお仕事ではないので
仕方ないでしょう
そもそも治る病気じゃないんだから
アタシはカウンセラーか⁈
と言いはしたけど
センセーは定年間近で
多分私も兄も一番長く診ていただいている患者の一人で(四半世紀!)
しかも厄介なタイプの症例で
後悔とか無力さとか
感じてるんだろうな
医者になろうと思ったきっかけはわからないけど
シンプルに「病気の人を治す仕事」
とは思ったであろうし
もうすぐ病院を辞めるから
最後まで責任を持てなくて
「治してやれなくてすまない」
て言いたかったのかな
医者という商売も
切ないな…
今日は自分のことよりも
センセーの気持ちにうっかり共感して
なんだか拍子抜けというか
それほど落ち込みもせずに
ぼんやりと駅に向かうバスに乗りました
横浜駅に着いて改札をくぐる直前に
義母が大好きな鮎のお菓子が解禁になっていることを思い出し
高島屋に戻って鮎を求めるべくぼんやり並んでいたら
義母が元気だった時はいつも
美味しいお土産をあれこれ買ってきてくれたことがよみがえり
鮎購入後は義母の好物を探し歩き
もうすぐ七回忌の父へ一保堂の新茶を買って
ついでに湘南朝獲れの豆鯵を見付けて迷わず手に入れて
義母にしてもらったこと
父のこと
いろんなことを思い出して
デパートを歩きながらうるうるしていました
また泣いてる…
主治医の思いがけない言葉をきっかけに
来し方が怒涛のように降ってきて
思いがけず人生の切なさ儚さをしみじみと思う日になりました
が
しおらしいのも一瞬
帰宅したら大急ぎで豆鯵の下拵え
珍しく早帰りの娘と二人で数十尾の豆鯵たちに
ごめんねー美味しく食べてあげるから許してねー
と語りかけながら
唐揚げにして美味しくいただきました
自分があちこちポンコツになってなおさら
周りの人たちには
ずっと元気でいて欲しいと
心から願います