先日

画家のFさんのレッスンでのこと

 

わたしが使っていたマグカップに

目を止めて下さったFさんハート

 

 

そのカップは

益子陶器市の共販所で光を放っていて

一目で虜になり連れ帰った品だ

とFさんに伝えると

ご友人が益子の陶芸家・濱田庄司と縁がある方で

そこから

益子のこと

陶芸のこと

そして民藝について

どんどん話が膨らみました

 

 

 

民藝とは「民衆的工芸」のことで

「美は生活の中にある」

「用の美」を提唱した思想家の柳宗悦が

陶芸家の河井寛次郎、濱田庄司とともに

大正期末に民藝運動を興しました

 

柳が中心となり蒐集し紹介された品々は

各地の庶民の生活の中から生まれた

力強く美しい手仕事であり

現在そして未来へと

大切に守っていく契機ともなりました

(ちなみに柳宗理sori yanagiは柳宗悦の子ですニコニコ)

 

民藝運動とは(日本民藝協会HPより)
民藝運動は、1926(大正15)年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動です。当時の工芸界は華美な装飾を施した観賞用の作品が主流でした。そんな中、柳たちは、名も無き職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさがあると唱え、美は生活の中にあると語りました。そして、各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には、用に則した「健全な美」が宿っていると、新しい「美の見方」や「美の価値観」を提示したのです。工業化が進み、大量生産の製品が少しずつ生活に浸透してきた時代の流れも関係しています。失われて行く日本各地の「手仕事」の文化を案じ、近代化=西洋化といった安易な流れに警鐘を鳴らしました。物質的な豊かさだけでなく、より良い生活とは何かを民藝運動を通して追求したのです。

 

 

私は民藝の温もりが好きで

作り手、使い手の息遣いを感じられるものには

とても惹かれます

 

歌や音楽でも

プロの洗練されたものも素晴らしいですが

その土地で

いつからともなく歌い継がれてきたものや

生活に根付いた骨太な音楽のエネルギーには

大らかな神性を感じて

心動かされます

 

 

レッスンそっちのけで

Fさんとうっとり話し込んでいたら照れ

日本民藝館に行くことを勧められました

 

日本民藝館は

民藝を中核とするコレクションを展示しており

建物もその精神に基づいて

柳宗悦によって建てられ

現在も運営されているようです

 

 

恥ずかしながら

民藝好きなどと言いつつ

民藝館の存在すら知らなかったワタクシアセアセ

 

最近は

帰ってからの食事作りや仕事の体力等々を考えて

外出は消極的になっていたけれど

近頃の鬱々とした気分を払拭するためにも

民藝館にゼッタイ行く!!

善は急げと

翌日出かけてみることにしました音符

 

 

 

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

 

 

 

日本民藝館は目黒区駒場にあり

我が家からは渋谷乗り換えをしなければならないのが

ものすごく嫌でしたが

(人混みが苦手ネガティブ)

 

駅に着いてみると

東大の敷地も緑が多いし

風通しが良く

思い切り深呼吸できる良きところです

 

 

駒場東大前駅から足取り軽く10分ほどで

日本民藝館本館に到着しました

 

落ち着いた佇まいも癒しおねがい

 

 

 

純日本家屋の建物内部も展示も

穏やかで落ち着けて素敵でしたが

ほぼ撮影禁止で

この棚だけは撮影OKでした

 

 

 

 

企画展は

[小染付と中国工芸]

でした

 

展示物は18〜19世紀頃のものが多く

染付の絵は

中国は素朴なものが多くて

日本のものは素朴でももう少し繊細な印象

 

 

 

土曜日でしたがそれほど人も多くなく

年齢層は高く

落ち着いた雰囲気なので

ゆったりと一巡出来ました

 

 

柚木沙弥郎さんの追悼展示もあって

素晴らしかったし

今年1月に亡くなられていたのですね、残念ですショボーン

 

イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ

染色家の芹沢銈介

版画家の棟方志功

など

柳が惚れ込み志を同じくした

近代工芸史を代表する工芸作家らの作品も

展示されていました

 

 

他に印象的だったものをいくつか挙げておきますと

 

 

朝鮮の螺鈿細工の枕は

高さが12cmくらいあり

日本の江戸時代の箱枕のようなもので

到底熟睡出来そうではなく笑い泣き

 

同じく白磁のおろし器は

実際大根をおろして成果を見たいと切望するほど

おおらかな作りでしたにやり

 

17〜19世紀の伊万里焼の蕎麦猪口が

ぐい呑みくらいの可愛いサイズで

少しのつゆを入れ少しだけ蕎麦をつけて啜る

江戸っ子の粋が想起され

慎ましく豊かな精神性に触れた気がしました

もっともその頃の日本人は

今よりも小柄だったでしょうから

全体的にコンパクトだった

ということなのかもしれませんがニコニコ

 

英国のスリップウェア(家庭で普段使われる器)

も充実していて

一面グレゴリオ聖歌が描かれている器もありました

 

 

ただ

楽しみにしていたアイヌの展示がなくて

少し残念タラー

コレクションにはあるはずなのだけど…

 

 

 

ミュージアムショップは小さいながらも

各地のテーブルウェアや布織物製品

書籍などがあり

誘惑がいっぱい真顔

 

図録は重いし保管場所もないので諦めて

今放送中の

NHKラジオ宗教の時間

「柳宗悦 美は人間を救い得るのか 上」

のテキストを買いました爆笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの日は

民藝館の西館(旧柳宗悦邸)も開館していたので

もちろん訪問しましたハート

 

西館開館日は

第2及び第3(水)(土)

です

 

 

 

 

 

西館外壁にどくだみ

いい匂いラブラブ

匂いだけで毒消ししてくれたら良いのににやり

 

 

この建物は

民藝館開館の一年前の1935年に完成し

柳宗悦が46歳から亡くなる72歳まで

実際に暮らしていた家で

本館共に宗悦自身が設計した建物です

 

 

内部では

柳宗悦と民藝についてのビデオも上映していて

思想家・柳宗悦の

「民藝を通して美そのものの本質に触れる」

という精神を紹介していました

 

民藝とは

非凡を目指したものではなく

実用品として作られたものの力強さ

日曜雑器に宿る美を

有するものです

 

ビデオの最後は

「今見よ」

「初めて今見る思いで見ること」

「いつ見るも今見る思いで見れば姿を隠しはしない」

「即今に見ること」

との言葉で締め括られていました

 

 

 

大人になると

「今見る」ことを忘れてしまう気がします

経験や知識は得難いものではあるけれど

時に

ありのままの姿が見え難くなる厄介なもの

にもなり得ます

 

大切なのは

いつでもその時々に

なんのバイアスもなくまっすぐ見ること

 

目で見えないけど眼で見えているものを

見えるようにすること

直観すること

 

 

日本民藝館HPより

柳は美の本性に触れるには、何よりも「直観」の力が不可欠であると説いた。「直観」とは、人間が本来持っている美を感受する本能的な力であり、知識や先入観によるのではなく、囚われのない自由な心と眼によって純に対象物を観ることである。この「直観」の重視は、初期の思索より一貫している柳の最も特徴的な方法論で、生涯にわたる思索と行動の原理となった。

 

 

 

民藝館では

展示物に対して説明がほとんど書いてありません

頭で理解したような気になって見るのでは

美の本質を心で感じることが出来ない

と考えるからなのだと思います

 

音楽も美術工芸も

知識から見るのではなく

なんとなく好きだとか

心が囚われるとか

それが本当の美しさなのではないか

それで充分なのではないか

 

という思いに満たされ

さらに民藝を好きになって

民藝館をあとにしました

 

 

 

そのあと

Fさんに教えていただいた

近くの旧前田侯爵邸まで足をのばしましたが

長くなったのでその話はまた次回に音符

 

 

 

 

 

民藝館を紹介してもらうきっかけとなった

益子陶器市で一目惚れしたカップ

↓↓↓↓↓

 

image

益子の粕谷恵さんの作品

共販所でものすごい引力を感じ一目惚れラブラブ

帰りに購入しようと決めて

通りを歩き始めたらご本人のテントを発見して、

色デザイン違いで夫のカップと共に連れ帰りました。

 

粕谷さんのインスタグラム

↓↓↓

 

 

https://www.instagram.com/mkf_726?igsh=Nzd1MHU3eW5wbTJz