入院は
病気の治療と療養のためなので
当然いろんな制約があります
個室なら好き勝手できるかもしれないけれど
複数人での大部屋なら
いろんな体調の人がいるので
みんなが自分のペースで好き勝手出来るわけではないのは自明の理
入院前には専門のスタッフから
入院の約束事について
時間をかけて説明があります
病室内では
基本的に必要ではない音を出す行為は禁止です
テレビや動画視聴はイヤホンで
通話は病棟内の通話エリアのみです
コロナ前は
大部屋でもテレビはそのまま音を垂れ流していたし
部屋の人同士お喋りしていたし
それが普通だったのですが
体調によっては
静かにして欲しいと思う人もいたでしょう
そして当然
香水のように匂うものもNG
普段は大丈夫でも
具合が悪い時に気分が悪くなる人もいると思います
私は合成された香水や香料はかなり苦手で
すぐに息苦しくなり頭痛がして喘息様の症状が出ます
電車にオサレなおねいさんが香水プンプンで乗ってきたらもう
天を仰ぐしかありません
とは言え
気になる人気にならない人
気になる時気にならない時
があるわけで
ルールが決まっていても
自分が人生でそんなことを感じたことも考えたこともない人は
そんなルール自体理解出来ず
守らない人は絶対いて
そもそも人の話を聞かないとか
聞いても覚えてないとか
平気でマイルールを押し通すとか
人の煩悩は果てしないワケであります
今回入院して初めに入った部屋には先客が一名
おばさんがいました
すぐに携帯でご主人と通話し始め
しかも普通に夫婦の会話なので
聞き苦しいことこの上なし
そりゃ調子が悪いんだからさあ、わけわかんねーよ
なんなんだよオメエは、アタシは無理だよ病気なんだから、ムカつくなあ
といった感じ
彼女にしてみれば特別ぞんざいなわけでも
喧嘩しているわけでもないのでしょうが
こちらはそもそも頭痛で音に過敏になっていて
しかもそんなキタナイ言葉でずーっと話されていたら
ココロもやられる
はああああ
こんな病室耐えられない
看護師さんに言うべきかなあ…
とブルーになっていたら
なぜか部屋替え
景色は良い場所でしたが
お隣のおばあさんは
Always独り言で
向かいのおばさんはまたまたずーっと通話
ただこの通話おばさんは
言葉は汚くないし
一応小さな声で喋っている
四六時中呼び出し音が鳴るのには辟易するけど
これくらいなら昔の病室よりよほど静かよね
と
自分を昭和の古い病院へとタイムスリップさせてみる
四六時中電話しているから
看護師さんたちも当然現場を見ているのだけど
誰一人嗜める人はいない
言って
改善されることはないからだろうな
一々通話エリアに行って電話できない状況の人もいるだろうし(このおばさんは違うけど)
そしてこのおばさんはもちろん
テレビにイヤホンは付けずにそのまま垂れ流している
緊急入院などでルールを知らないのかとも思ったけど
電話でご主人に
イヤホンがどうとか言ってるから
知らないわけではないことが判明
テレビも大音響ではないから我慢できなくはないけど
通話と同じく
ちゃんとルールを守っている人からすると
釈然としない思いはある
そうこうするうちに
数日でおばさんは退院して行って
ホッとしました
ただこのおばさん
ボローニャ歌劇場のノルマのチケットを
二日間とも取っていました
それも通話が丸聞こえだったから知ったのだけど
席は前から一列目と三列目
キャストかオケの誰かと知り合いなのか
特別ルートでチケットを取ったらしいです
急な入院で行けなくなり
代わりに行ってくれる人を探していました
もしかして
関係者？
でも歌い手でないことは確かです
喋り方や雰囲気でわかる
人間はお金が潤沢になると
お金でなんでも解決できるから
面倒な人間関係を端折るようになるそうです
お金にモノ言わせられない庶民は
周囲の人を大切にしないと
コミュニティから除け者にされるかもしれず
生存が危ぶまれるので
周囲を大切にする
ということらしいです
納得
庶民下町人情派はたくさん存在しても
人情派セレブなんて聞いたことがないのはそのせいか
だからベンツに乗ってる人は
運転マナーが悪い人が多いのね
なんとわかりやすい
結局病院ですら
わがまま勝手な人が許されるような
社会の構図なのだなあ
こんなことを言ってるアタクシも
見る人が見たら
「何をそんな細かいことを
はっきり言うか気にしないかどっちかにしなよ」
ということになることもわかります
でもアタクシは
個室の差額ベッド代一日数万円をも払えるセレブではないので
クレーマーにはなれません
弱…
やっぱ
財力かあ…
そして
先日デイルームで寛いでいたら
外国人の女性が入院してきました
すんごい香水
臭すぎる
というか瞬間的に胸が詰まって苦しくて咳
病室が一緒だったら療養どころではなく
悪化してしまう
あの方々の香水は
文化であるのは理解できるけど
外人だから許されるわけではないと思う
治療する場で体調悪くさせられるのってどうなの
看護師さんに
病室を離していただけるように
ワケを話しました
お陰様で
病室内にはその香が臭ってくることはなく
穏やかに過ごせました
が
トイレでも洗面でも
彼女が来ると
臭い
しかもその場を去っても
残り香が酷く胸が苦しい
その彼女には
どうやらお世話しているらしきおじさんが
毎日面会に来て
肩を揉んだりしながらいろいろ話していました
面会は公共スペースのデイルームのみなので
おじさんが面会に来ると
デイルームには居られず
少し離れた通話エリアに避難するも
そこまでも臭う
私にとって健康を阻む毒であっても
そのニオイが彼女の国の文化なのはわかる
わかるよ
わかるけど
ここは日本
しかも病院
悪い人ではないかもしれないけど
今の私にはアナタは殺人者くらいの悪人です
だって一瞬で苦しいもん
彼女は3日で退院しました
心の中で
退院してくれてありがとう
と頭を下げ
紙吹雪撒いて花道作って送り出しました
病院であっても
健康を損なう要因が必ずしも悪として排除されるわけではない
自分の身は自分で守るべし
改めて
世の中って厳しいのだと
社会勉強したアタクシでございました
あーーー
ちかれたーーー
姉がお見舞いに来て
素敵な品と共に
母に買ったけど使わないからと
カラオケマイクを託して行った
姉は
こういうオモロイところがある
早く帰って試したい