即興をしました。ほんのちょびっとですけれどね![]()
ギタリストの加藤崇之さんと年に数回やっているライブ。前回は4月にいつもの鷺宮カフェムーサさんで行いました。
この加藤さん、ジャズをルーツにご自身の表現を常にアップデートされている素晴らしく楽しい方で、その活動の中の大きな柱の一つにインプロ(improvisation)があります。
インプロは元々演劇の即興から発していて、それが他芸術に波及したそうです。
譜面を読み取り曲を仕上げていくクラシック歌手の私にとって、譜面や台本がないことをその場でいきなりやる即興など、考えただけで恐怖です。
加藤さんはいつも曲のイントロや間奏部分で即興演奏されていますが、私はテンポやリズムが多少変わっても、決まった歌をギターに合わせて歌うだけです。
今回はパーカッションの藤ノ木みかさんをお招きしたことがキッカケになったかならいでか、加藤さんがご自身のインプロで愛でていらっしゃる缶のオーケストラ(名付けてトンチン缶)の精鋭を連れていらっしゃいました。
もちろんこのみかさんも即興の方。今回も当日に初めましてとご挨拶をし、いきなり本番です。
え?え?曲も知らないのに?どうして??![]()
超能力?妖術?イタコ?宜保愛子(古い
)?
いやーーー、私の常識アナタの非常識、世の中自分の尺度で考えてもわからないことはたくさんあるし、ましてやジャッジしたりするのはとんでもなく傲慢なことだと思い知らされます。感謝…
みかさんの話はまた別の機会に置いておくとして。
じつは以前から予兆はありました。
私も何か叩き鳴らしたり舞ったり
出来たら良いけど、それは無理な相談だわ〜、と他人事よろしく気付かぬふりをしていました。
今回、お二人で楽しくなさるのを楽しく聴いていましょう
と気楽に構えておりましたが、ひとたびトンチン缶が始まりパーカッションのみかさんが応えて音が鳴り出すと、じっとしていられなくなり…
気付くと参加していました![]()
手持ちの楽器も缶もないので、咄嗟のボディパーカッションです。これがまた
楽しい![]()
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やっているうちに無性に何かモノを鳴らしたくなり、ふと目についたのは目の前の譜面台。反射的に譜面台を掴んで床に打ち付ける…と、当然のことながら譜面台に置いてあった楽譜がバサバサ‼︎と
(会場でお借りした譜面台なのに…ごめんなさいっっ)
こりゃイカンと譜面を拾い集め、やはり今日のところはボディパーカッションで乗り切ろうと、立ち上がってその場駆け足したり身体を叩いたり。
(コロナ対応ビニールシートの仕切りがなければ、店中駆け回っていたかも…
)
お二人の邪魔をしてしまったかしら?と思ったけれど、とりあえずとっても楽しかったし、正解も不正解もわからなかったし、勝手に動いたのは私の身体であって頭ではないので私のせいではない?し
、観ていたお客さまからも「面白かった」「一緒にやりたくなった」などと褒め(⁈)られたし、普段はすぐ反省して後ろ向きになる私が、これに関しては微塵も反省しませんでした(ええんか⁉️
)
インプロについて調べてみたところ、演劇においての考え方なのですが「失敗を楽しむ」「失敗はネガティブなものではなく、学びの機会と結果」「安全な場所を作る」「チャレンジすること、それを楽しむこと」「頑張らない」「上手くやらない」「自然でいる」というワードに行き当たりました。
なんて素敵なのでしょう![]()
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思えば「失敗は恥ずかしい」「間違えたら怒られる」「チャレンジは身の程をわきまえて」「がんばれ」「上手くやれ」「周りに合わせろ」という教育を受けてきた気がします。哀れな私…![]()
小学生の頃、音感教育のレッスンでほぼ毎回簡単な即興をやらされましたが、いつも先生の顔色を見てビクビクしていました。上手くできたかしら?先生は良い顔をしなかったな。あの子はいつも褒められるのに私はいつも何も言ってもらえないのは私がダメだからだ。
大人の顔色を見る可愛くない子どもと言ってしまえばそれまでですが、ホントに毎回苦痛でつまらなくて、未だに鮮明に覚えているほど嫌な思い出です。
そういえば、加藤さんは音楽の場でいつも肯定してくださいます。下手だからダメとか、知らないことやできないことを馬鹿にされたり責められたことはありません。下手だからとやらないよりはチャレンジして失敗することを面白がって見守って(むしろ推奨して!)くださるように思います。
そう、まさに「安全な」場所![]()
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50年近く経ってようやく、音感教育即興の呪縛溶解⁉️![]()
インプロとは、思うままに表現することだと漠然と思っていましたが、れっきとした一つの分野で完成したものであるとすれば、ただ自分が楽しければ良いというものではないのではないか。音楽の演奏スキルが高ければ良いわけでもない。何をもって良しとするのか。
そこで前述の演劇インプロについての説明に立ち返ると、「良い演技ができた、良いストーリーができた」ことではなく「パートナーに良い時間を与えることができた」ことを目指すものであり、観る人はプレイヤー同士の関係性を見て喜びを感じるのだ、とあります。
確かに、音楽に限らず他の芸術でもスポーツでも、その場にいる演者の関係性が良いことが見て取れると、観ていて安心するし、それだけで平和な楽しい気持ちになります。
相手に良い時間を与えるには、自分にもパートナーにも正直に向き合わなければなりません。そもそも人間は大人になると自分にも相手にもバイアス(先入観や思い込み、慣習等の偏り)がかかり、あらゆる場面において正直なフィードバックはほとんど得られません。
失敗が許されなければなおさら、安心してチャレンジもできないし、正直になることは困難です。
良いコミュニケーションの前提は、チャレンジができる安心と肯定。
これ、ただ滅茶苦茶に自分の好きなことをやるのとは違い、難しいことです。相手を引き出しながら自分を解放して一緒に楽しむ。
それが出来たらすごく素敵![]()
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即興は自己満足や自分勝手では成り立たない、究極の対人コミュニケーションなのではないかと思います。
加藤さんは、音楽家としての経験値は私とは比較にならないほど百戦錬磨の手練れにも関わらず、こちらの荒畑に躊躇なく足を踏み入れて一緒に土を耕そうとしてくださっているように感じます。まさしくインプロ精神‼︎
大人数や指導者の下に集まる場合は違うでしょうが、共演するということはそもそも、それぞれに持っているものを持ち寄ってお互い歩み寄り学び合うことのように思います。ジャンルやスキル云々ではなく、そこを大切にできれば成り立つし、そうでなければ詰まらない。要するに、人間同士なのですよね。
こんな偉そうなことを言いながら、私は入り口にさえ立てておりませんが、この時初めて経験したささやかな即興は、とにかく楽しかったです。チャレンジして楽しかったという最高な結果で、まずは良しとしましょう![]()
インプロ振興会を自認されている加藤さん。
また少し、歩み寄れたかな。そうだといいな。
↓↓↓↓↓前回ライブのダイジェスト動画です。私が参加した即興部分は入っていませんが、雰囲気は伝わるかも?
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次回のライブは8月8日(日)です![]()

