映画『夜あけ朝あけ』鑑賞 | みつ梅の古今東西かべ新聞

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浪曲、歌舞伎を中心に観劇の感想を書かせて頂いております。
拙い文で恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。


『夜あけ朝あけ』
◎1956年、民芸作品。
◎配給…独立映画 
監督…若杉光夫、原作…住井すゑ、脚本…片岡薫
製作 …大塚和、松丸清史、撮影 …前田実、音楽…斎藤一郎、美術…江坂実、録音…加藤一郎、照明…吉沢欣三
出演…遠井慶子、吉田隆、屋代将之、水越幸子、乙羽信子、北林谷栄、伊達信、宇野重吉、小夜福子、山川英子、有泉圭助、染谷けい子、大町文夫、三崎千恵子、戸田春子、間井田海子、高野由美、山内明、大森義夫、内藤武敏、奈良岡朋子、津村悠子、宮坂将嘉、佐野浅夫、佐々木すみ江、斎藤美和、加藤土代子、福田秀実、松下達夫、細川ちか子

神田神保町にある名画座、神保町シアターの特集《生誕100年 宇野重吉と民藝の名優たち》で、以前より見たかった『夜あけ朝あけ』を見ました。

父親亡き後、身を粉にして働いていた母親を急病で亡くした四人兄弟が貧しさや偏見に負けず希望を持って生きて行く珠玉の名作でした。

舞台となったのが茨城県の結城市の鬼怒川沿いで、私の田舎の近くなので親しみを持ちました。
筑波山を望む美しい風景と厳しい暮らしとの対比が胸を打ちました。内田吐夢監督の『土』、今井正監督の『米』など茨城県の農村を舞台にした名作がありますが、皆農村の苦しい生活を描いておりました。
両親が子供の頃はこのような暮らしだったのであろうかと思うと、涙が止まりませんでした。

主演の四人兄弟の子供達は一般公募で選ばれたそうで、ヒロインの女の子は私の母の幼なじみなのです。母に見せてあげたいなと思いました。

四人兄弟を見守る近所の名士の役で宇野重吉さんが演じておられました。なぜか幼稚園の頃から宇野重吉さんが好きで亡くなられた時はショックだったのを思い出しました。

この作品に生きていればいろいろありますが、負けずに頑張ろうと希望を与えて頂いた思いです。