歌舞伎「熊谷陣屋」に登場する源氏の武将・熊谷直実は、
初代・中村吉右衛門の当たり役でした。

 

吉右衛門は常に肝に銘じたといいます。
 

自分は何度も直実を舞台で演じたが、
当の直実本人が、このしぐさをし、
言葉を発したのは「一生に一度しかない」出来事なのだ、と。


 

技巧が光る円熟の演技を見せようとするより、
この時、ここで
“一生に一度”しかなかった直実の思いに

肉薄する。
 

それでこそ「本当の心情」が表現できるのだろう。



 

ある女性から便りを頂いた。
 

手紙は「わが家の杏の花も咲き始めました」

と結ばれていました。

 

彼女は昨年、夫を亡くしました。
 

励ます仲間に「大丈夫よ」と気丈に振る舞ってはいたが、
言い知れぬ悲しみもあったに違いない。

 

明るく自身を鼓舞するように友と力強く歩み続けました。
 

そんな中、身も心も上向いた、その視線の先に見えた“杏の花”
 

それは例年の春の情景とは違って見えたろう。
 

手紙の結びは、人生の一つの冬を勝ち越えた、
彼女の今の心情を物語っていました。


 

先日、彼女から改めて電話がありました。
 

「人生は、一生に一度しかない『今』を生きること。
全てが一期一会の出来事です。
この瞬間瞬間を大事に生きていきます」。

 

 

 

 

 


「言葉のちから」を信じて明るく、元気に。

ウキウキ、ワクワク、過去への拘りを捨てましょう。
過去への拘りを捨てて、未来を見つめて前に進みましょう。

そして、新しい自分を発見し、充実の人生を歩みましょう。
大丈夫!大丈夫!