当代きっての浪曲師・三原佐知子さんの口演を
聞いたことがあります。
三味線を伴奏にして独特の“節”と“語り”で演じる浪曲。
舞台での三原さんの声を聞いていると、
物語の登場人物がフッと浮かび上がるような臨場感に
包まれます。
三原さん曰く。
「大切な聞かせどころは、
あえて『小さな声』で演じることが多いんです」。
“聞かせどころ”なら、大きな声で演じてもよさそうだが、
理由を聞いて納得しました。
小さな声で語り歌うと、聴衆が聞き逃すまいと耳を澄まし、
神経を集中させる。
大きな声以上に、高い技術を駆使する時もある。
今年100歳になる婦人が体験を語ってくださいました。
家族の大病や夫との死別など幾つもの風雪を乗り越えて今、
子、孫、ひ孫に囲まれ、幸せをかみ締めます。
「コツコツ、コツコツ、頑張った人には、
飛び切りあったかい春が来るんですよ……」。
静かに語る確信の言葉から、
生きる喜びが、じわっと伝わってきました。
時節がら大きな声は控えるべきだろうが、
言葉に真心と確信を込めれば、
たとえ“小さな声”であっても、相手の心に大きく響くものです。
「言葉のちから」を信じて明るく、元気に。
ウキウキ、ワクワク、過去への拘りを捨てましょう。
過去への拘りを捨てて、未来を見つめて前に進みましょう。
そして、新しい自分を発見し、充実の人生を歩みましょう。
大丈夫!大丈夫!