広島市にある巨大なレンガ張りの倉庫「旧陸軍被服支廠」。
建物の西側に面した市道を歩くと、
原爆のすさまじい爆風で変形した鉄扉が目に飛び込んできます。
原爆投下から75年。
被爆者の平均年齢は83歳を超え、被爆体験を直接、
聞くことができなくなる「被爆者なき時代」が近づいています。
壮絶な体験に基づく証言ゆえに力があり、
説得力がある“生の声”に頼ることのできない時代が
間もなく訪れます。
広島平和記念資料館に、
真っ黒に焼け焦げた中学生の弁当箱が展示されています。
爆心地から600メートル。
少年は弁当を食べることはできなかった。
この弁当箱は、母親が骨になった息子の遺体を見つけた時、
遺体の下にあったもの。
弁当を楽しみにしていた少年の気持ち。
息子ではなく弁当箱だけが手元に戻った母親の気持ち。
こうした思いを本人に直接、聞かなくても、
この弁当箱から感じ取ることができるだろうか。
「一番大切なものは想像力」と語るのは、今年83歳の被爆者。
「もの言わぬ核兵器の証言者から学び取れる感受性を
身に付けてほしい」と。
想像力が自分と自分以外の世界を結び、人生を豊かにします。
相手を思う「同苦」の心から想像力は生まれる。
同じ経験はできなくても、
想像力を働かせる努力だけは惜しむまい。
「言葉のちから」を信じて明るく、元気に。
ウキウキ、ワクワク、過去への拘りを捨てましょう。
過去への拘りを捨てて、未来を見つめて前に進みましょう。
そして、新しい自分を発見し、充実の人生を歩みましょう。
大丈夫!大丈夫!