夏目漱石の小説『門』に、
主人公の宗助が「どうも字というものは不思議だよ」
とつぶやく場面があります。
「近来の近の字はどう書いたっけね」と妻に尋ねました。
いくら易しい字でも、これは変だと思って疑いだすと
分からなくなる。
紙に書いて眺めても、違う気がしてしまう。
宗助が「御前そんな事を経験した事はないかい」と問うと、
妻は言いました。
「まさか」。
最近、送る便りを手書きしていると、
しばしば漢字を思い出せない時があります。
「まさか」と笑えない。
年のせいか、それともパソコンやスマホで文章を作ることに
慣れてしまったせいか。
深刻な悩みをかかえている友も多い。
一葉の葉書で人生を決することもあります。
友に直接会えないとき、電話やメール、SNSで心を通わせ、
励まし合うことは大事です。
その上で、あえて葉書や手紙を使ってみるのもいい。
手書きには一つとして同じ形はありません。
思いを込めてつづった文字には、
おのずと書き手の心がにじみ出るものでしょう。
友のもとへ「真心」を形にして届けたいですね。
「言葉のちから」を信じて明るく、元気に。
ウキウキ、ワクワク、過去への拘りを捨てましょう。
過去への拘りを捨てて、未来を見つめて前に進みましょう。
そして、新しい自分を発見し、充実の人生を歩みましょう。
大丈夫!大丈夫!