皆さんは、天才歌人・明石海人の存在を
御存知でしょうか
結婚し、長女も生まれ、人生これからという時、
ハンセン病を発病し、名前も素性も全て隠し、
社会から隔離された生活を余儀なくされた歌人です
歌集「白描」の序文で、彼は綴っています
「深海に生きる魚族のように、
自らが燃えなければ何処にも光はない」
光の全く届かない深海で生きている魚達と、
錯乱状態にまで陥るほどの、
真っ暗闇の人生を余儀なくされた自身の人生を
重ね合わせているのです
しかも、この歌集を世に出した4ヵ月後、
彼は39歳という若さで短い生涯を閉じました
この歌は、余命いくばくもない、
まさにギリギリの精神状態の中で、
「光を失った人」達に、せめて「温かな光」が
届くことだけを願って紡ぎ出された言葉です
激しい苦悶の末に見い出した彼の希望の光に、
彼の深い心に、私は深く胸を打たれました
今の若い人にも、是非、知ってほしいです