人は、毎日一番世話になり、
最も大切にしなければならない人に、
誰よりも無神経になってしまう傾向があります
「親しき仲にも礼儀あり」ですよね
誰かへの労いの言葉、感謝の言葉は、
それを口にした時、言った側の心も潤うのです
「一言の大切さ」について考えて欲しいエピソードを
紹介しましょう
ある講演会で私が大きな花束を
頂戴した日のことです
花束はバラにカサブランカ、トルコ桔梗も入った
豪華なものでした
会の協賛団体の職員だという一人の男性が、
ふと別れ際に「ボクは4人の子持ちなんですヨ」
と話し掛けてきました
その日は日曜日
彼の妻は、日曜出勤の夫を送り出し、
子供の世話や家事に勤しんでいるはずです
その姿を想像し、私は思わず彼に花束を
差し出して言いました
「これ、留守番の奥様に貴男からだと言って
差し上げてください。私が持ち帰るより、
意味があります。花も嬉しいはず」
彼は、ガッチリした腕に大きな花束を受け取り、
嬉しそうに帰って行きました
「ガックリです。
女房にプレゼントだよと渡したら、
”どうせ会で処分に困ったのを持ち帰ったんでしょ!”
と言われて」───私もガッカリでした
こんな時、妻は想像して欲しい
中年の男性が大きな花束を抱えて歩く恥ずかしさに耐え、
妻にそれを手渡す愛と優しさを
妻も、こんな時は「ありがとう。
花束はいつでも大歓迎よ。嬉しいわ」
と言って欲しいのです