寛解導入療法その3です。

 

今日は危機を脱出して、寛解判断に至る時です。

 

骨髄穿刺 6月6日(入院16日目) 6月12日(入院22日目)

ビタミンA誘導体(ベサノイド)錠剤を服用することで、骨髄中にあるガン化した前骨髄球

が再び分化、成熟を再開し、抹消血液へ出てくることで、計画細胞死(アポトーシス)させ

る治療を続けて来て、2回骨髄検査を実施しました。

 

前骨髄球性白血病は JALSG に詳しく説明されていますが、骨髄の中で第15番染色

体と17番染色体の一部が転座(入替り)する遺伝子異常が起こることで、造血幹細胞

から好中球へ分化・成熟する過程で、前骨髄球の段階で分化が停止して細胞死する

ことなく次々と増殖し始めるので、他の細胞が成長することができなくなって、末梢

血管へ供給されなくなることで免疫力、止血力等が失われる病気です。

 

骨髄検査データ

               入院時5/22    ⇒     6/6        ⇒6/12

 骨髄芽球         1.3%             0%                0.7%

 前骨髄球      24.0%         11.3%      1.3%

 骨髄球          6.0%           31.3%       9.0%

 後骨髄球         3.0%           22.3%      19.7%

 好中球桿状核      6.7%            4.7%      21.3%

 好中球分葉核      9.0%            3.0%      21.3%

採血データ

             5/22      ⇒     6/6  

 白血球(WBC)   1300(低い)   ⇒   2180  (正常範囲 3590-9640個/μL)

 好中球       377(低い)   ⇒    523   (正常範囲 1480-7200個/μL)

 赤血球(RBC)    374(低い)  ⇒     359  (正常範囲 400-552 10*4個/μL) 

 ヘモグロビン(Hb)  12.1(低い) ⇒    11.6  (正常範囲 13.2-17.2   g/dL)

 血小板(PTL)           7.4(低い) ⇒    7.7   (正常範囲14.8-33.9*10E4/μL)

 前骨髄球(癌化細胞)  13個   ⇒      0   本来血液中には存在しない

 後骨髄球(癌化細胞)   0    ⇒    174個   本来血液中には存在しない

 フェブリノーゲン     174    ⇒    285   かさぶたの元

 

             5/22      ⇒     6/12  

 白血球(WBC)   1300(低い)   ⇒   6440  (正常範囲 3590-9640個/μL)

 好中球       377(低い)   ⇒    3091  (正常範囲 1480-7200個/μL)

 赤血球(RBC)    374(低い)  ⇒     367  (正常範囲 400-552 10*4個/μL) 

 ヘモグロビン(Hb)  12.1(低い) ⇒    11.8  (正常範囲 13.2-17.2   g/dL)

 血小板(PTL)           7.4(低い) ⇒    10.7  (正常範囲14.8-33.9*10E4/μL)

 前骨髄球(癌化細胞)  13個   ⇒    193個   本来血液中には存在しない

 後骨髄球(癌化細胞)   0    ⇒    644個   本来血液中には存在しない

 フェブリノーゲン     174    ⇒    453   かさぶたの元

診断

6月6日

骨髄の中では前骨髄球が減少し骨髄球、後骨髄球が増加していることからガン化した

前骨髄球の分化・成熟が再開されており、ベサノイドの効果は出ている。

しかし、血中データの状況は数値が回復しておらずベサノイド服用による治療を続ける

必要がある。血液中へのガン化前骨髄球の漏れ出しは無くなったが、後骨髄球が

出てきており分化・成熟の可能性、骨髄内での正常化の可能性が認められる。

抗がん剤併用治療は不要の診断結果。

6月9日

血液検査で突然白血球が増え始めるとともに、骨髄球、後骨髄球の比率が増加した。

又、ガン化前骨髄球も再び検出されことから、抗がん剤併用の可能性が出てきた。

しかし、骨髄検査データから判断して、ガン化前骨髄球の増加は考えにくく、骨髄内

での造血作用が正常化することで、ガン化前骨髄球、骨髄球、後骨髄球が血管内に

漏れ出して、その結果として正常な白血球が増えている と判断された。

抗がん剤は使用せず、ベサノイド錠服用継続。

6月12日

寛解導入の段階で抗がん剤治療を併用せず寛解認定できるか判断する為に骨髄穿刺

を実施した。前骨髄球は1.3%まで減少しており、分化・成熟も進んでいることから

骨髄中は正常化しており「血液学的寛解」と判定された。

1.5~2か月かかるところを、3週間で寛解判定となった。

早期発見、予後良好のA群判定、見かけ上の健康もあってか

ベサノイドが良く効いたようだ。

2014年6月13日(金)

血液検査の結果、白血球、好中球が正常範囲に復活したこと。前骨髄球が血液中から検出

されなくなったことが確認でき「血液学的寛解」と確定した。 危機脱出!

 

熱も無く、自覚症状も無く、健常者と変わらない為 実感はありませんでした。

何か他人事でしたが、間違えば抗がん剤治療、副作用による日々と言う

大変な日々が直ぐそこにあった とは感じています。

 

病気とはそういうものかもしれません。今こうして、元気で生活できているのは

医療関係者、家族そしてめぐり逢いという奇跡のおかげと感謝するばかりです。

 

次週より地固療法に入ることになった。

 

(つづく)