ブログ再開1回目

 

 

話は2014年5月(約3年8ヶ月前)に戻ります


2014年5月22日 入院初日


病室で横になると、早速 担当医 から 私の治療方針の説明があった。

 

白血病 特に 急性前骨髄球性白血病(APL)は症例数が少ないこともあり、

全国の大学病院、主要病院が集まって、1人でも多くの患者さんを救う為に、

より良い治療法、治療スケジュールの研究開発を行っている。

この病院も中核病院として参加している。

 

私はその臨床試験の条件を満たしているらしく、専門用語だらけの詳しい

説明書(25ページ!)に従って説明を受けました。

 

私の治療を通して、現れる各症状、治療成績、様々な検査データが、

今後の患者さんのために少しでも役に立てるのであればと思い

快く 臨床試験の同意書にサインしました。

 

全国でAPL治療法の基準になっているようなので、私だけでなく

APLになってしまった殆どの方がサインしているのでは と思います。

 

・日本成人白血病研究グループ(JALSG)ホームページ

 

 http://www.jalsg.jp/

 

・これまでの治療成績 

 

 http://www.jalsg.jp/treatment-results/acute-promyelocytic-leukemia.html

 

 http://www.jalsg.jp/clinical-research/end_new_registration/apl204.html

 

 

・急性前骨髄球性白血病(APL)の説明

 

 http://www.jalsg.jp/leukemia/cause.html

 http://www.jalsg.jp/retinoic_acid

 

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①1990年代前半に特効薬(レチノイン酸ATRA 商品名ベサノイド)

  を用いた治療で、完全寛解率、生存率が飛躍的に向上した。

  ATRAは服用タイプの薬で、APL細胞への分子標的治療薬と言え、

  それまでの強い化学療法に比べ、副作用リスクがだんぜん低い。

  なんと ATRA(ベサノイド) は 活性ビタミンA です!

  これがAPLの特効薬!です。 中国で発見されました!

 

②1997年からは初発診断時(治療開始時)の状態から、4群層別化し

  層別プロトコール(治療スケジュール)で臨床試験(APL97)

  白血球10,000/μl 以上と未満で予後に差がある(あくまで統計上)

 

  A群  白血球<3,000/μl & APL細胞<1,000/μl

 

  B群  3,000≦白血球<10,000/μl 又は

      APL細胞≧1,000/μl

 

  C群 白血球≧10,000/μl

 

  D群 寛解導入治療途中で APL細胞が1,000/μl 以上に

     なった場合

 

③1996年中国上海グループから、再発APLに対し、亜ヒ酸(三酸化ヒ素

 商品名:トリセノックスATO)による驚異的治療成績が報告される。

 

  日本でも1999年より臨床試験が行われ、2004年に日本でも

  再発・難治性APLに対して承認された。

  2010年の米国からの報告で、初発APLに対してトリセノックスを含む

  地固め療法を実施したところ、生存率が向上し、ATOの有効性が

  初発でも実証された。

 

以上のように、急性前骨髄球性白血病(APL)の治療は1990年代前半

から現在までの20数年で飛躍的進歩を遂げてきた!!

現代は 白血病 の中でも最も治療成績が良く 予後の成績も良い。

 

以上を理解することで これからの治療に希望が持てました(o^-')b

この分野では中国さまさまです。 日中友好 大事にしましょう。

 

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私への治療方針:

 

私の治療開始時の抹消血液データは

 

白血球  1300<3,000/μl  正常範囲 3590~9640/μl

好中球  377(29%      正常範囲 1480~7200 /μl

APL細胞 130(1%)<1,000/μl  正常範囲 0

血小板   7.4  正常範囲 14.8~33.9 ×10*4/μl

赤血球   374  正常範囲 400~552 ×10*4/μl

 

 ・白血球と癌細胞の数値から、「A群」に該当

 ・骨髄内でがん細胞(APL細胞)が増殖中の為、正常な血液が

  作られず、特に白血球、血小板が大幅に低下。

  免疫力低下している。

 ・赤血球も正常範囲を下回り始めており、息切れ、眩暈などの

  症状が出る手前の状況

 ・血液中へのがん細胞(APL細胞)はまだほとんど出てきていない。

  非常に早い段階で病気が発見され治療開始できる状況。

  そのため、DIC(播種性血管内凝固症候群)の症状は発症していない。

 ・血小板は輸血が必要なレベル(5.0)手前の状況
 ・血液データは明らかに異常なのに、自覚症状はまったく無し

  これが恐い病気です

 

以上の状態から

日本成人白血病研究グループ(JALSG)による他施設共同臨床試験である

APL212のプロトコール(治療スケジュール)に基づいて治療を行う

 

・行われていた臨床研究(APL212 2012-2016)
 http://www.jalsg.jp/clinical-research/now/apl212.html

 

(急性前骨髄球性白血病に対する亜ヒ酸(ヒ素)、GO(分子標的治療薬)

 を用いた寛解後治療(地固め治療) 臨床試験)

 

APL212プロトコール (A群)

 

【寛解導入療法】入院期間1.5〜2ヶ月

 ・・・血液学的完全寛解を目指す。

    がん細胞(APL細胞)はまだ残ってはいるが、正常な造血機能が回復

     

 ATRA ベサノイドカプセル(内服) 副作用少ない

 

 但し、がん細胞(APL細胞)増殖の勢いが強く、抹消血液内に出てくる

 APL細胞数が1000/μl以上になった場合(D群に移行)は、強い

 化学療法を追加する。

  →イダルビシン点滴3日間  シタラビン(キロサイド)点滴7日間 副作用強い

 

【地固め療法】入院期間5ヶ月〜6ヶ月 一時退院(自宅療養)数回あり

 

 ・・・抹消血液、骨髄内にしぶとく残っているAPL細胞を徹底的に殺し

    再発防止する治療。 分子学的寛解に持ち込む。

    分子学的寛解・・・骨髄内でAPLに特徴的なPML-RARA融合遺伝子

             転写物の存在を遺伝子検査で調べ陰性である状態

            (感度の高いこの検査で陽性では、再発傾向にある

             ので、APL212による治療は中断)…移植検討へ

 

 ①トリセノックス(亜ヒ酸(三酸化ヒ素)) 点滴 25回 

  (週5日✖️5週間) APL専用治療 

   不整脈の副作用があるので、心電図監視のもとで点滴実施

 

 ②キロサイト点滴3回、ダウノマイシン点滴5回 白血病 共通の治療

  正常細胞も死滅させる副作用あり 吐き気、脱毛、食欲減退、浮腫、炎症、などがあり

  数値によって血小板、赤血球等の輸血も行われる。 

  献血して頂いた方々に感謝を理屈なしに理解できる瞬間

 

 ③トリセノックス(亜ヒ酸(三酸化ヒ素)) 点滴 25回

  (週5日✖️5週間)2セット目 APL専用治療

 

 ④マイロターグ点滴 2回

 

 ⑤骨髄注射 

  (骨髄内は様々な仕組みで守られているおり、点滴よる抗がん剤は届かないので

   骨髄内へ直接 抗がん剤 を注射)

   背中を丸めて 腰部 から骨髄へ直接注射される  これもかなり恐い

 

  抗がん剤点滴治療1セット毎に、正常な血液細胞も減少するので、免疫力がなくなる。

  従って、生命の危険性が高まる為 連続して行うことは 出来ない。

  又、予想外の病気併発に襲われる危険性に対し、即対応することができる総合病院への

  入院が必要。 

 

  都度 自己免疫力が回復する(血液各種の数値回復を)待つ必要が必要がある。

  医師の許可のもと、入院ストレスから解放されて、治癒力を上げるために

  一時退院することがある。

 

 【維持療法】

   ・・・無事分子的寛解に達した場合の療法

 

    ATRAベサノイカプセルと類似のビタミンA錠剤。

    合成レチノイド薬(Am80:アムノレイク)を継続使用

     3ヶ月毎にアムノレイク錠剤14日間✖️8回(2年間)

    説明書をよく読むことです。けっこ恐いことが書いてあります。 

 

    薬は患者数が少ないこともあって、非常に高価でびっくりです。

    でも、日本の保険制度に守られていることがよく分かる経験でした。