新しい年を前に
ほんのりとわくわくする
浮ついた気持ちにつけこんで


デザインのかわいさで
心を狙ってくる手帳たちの

えも言われぬ魔力にかかって
購入するものの

書いたのはほんの数ヶ月

ほとんど買った当時のままのそれを前に
自己管理能力の低さなどをおもい

がっかりした気持ちで年末を迎えたことが
はて、何度あったか。



わたしはどうせ使わないと
ようやく観念したのは
ハタチを過ぎるころだったかしら。



キラかわ魔力の誘惑に打ち勝ち
それ以来
持ち物から姿を消していた手帳を

何年ぶりか

手元に迎えた。




今回も使えないかもしれないと
かつての古傷のざわめきを感じつつ

チラチラと見え隠れする
あの頃の感覚。







歳を重ねたからこその
セルフワーク目的でのチョイス。

表紙は自分の好みにしたいなぁと
カバーを外して
とりあえずポストカードをひとつ。













どんな成果をあげたのか。

何を成し遂げ、何を得たのか。





そんなのばっか

いつの間にか
どこかの大人のモノサシで
自分の価値をはかりはじめて

ずいぶん縛られてしまっているようだね。





世間の呪縛でつながれた鎖は
キャンディにして食べちゃおう。






プラスチックのビーズに
目を輝かせて

お菓子の包紙を
にんまりと宝箱にしまっていた

あの頃の感覚。







これはつまり
新しい年への期待というのかしら。





今思えば大した悩みなどなかったころの

なんの根拠もなく
キラキラした明るい未来を想い描いていた

チープなオモチャみたいなうきうきした感覚。




淡いパステルカラーのわたあめみたいな
あの頃の感覚。




思い出せるかな。


もう一度
心にもてるかな。