ホクロを取ったあとどういう向きに縫いあわせるかが問題だ、と術前に説明を受けていた。
皮膚を引っ張り寄せて縫うため、場合によっては表情が変わってしまう恐れがあるらしいのだ。
結局「取ってみて術中に考えます」とのこと。
そんなわけで、両目と眉が大きくくりぬかれた布をかけられ、ope は始まった。
とにかく眩しかった。
顔面に照射される無影灯の強烈な光はハンパじゃない。
両目をつぶってはいるものの、目の前1cmに電球を押しつけられているかのような耐えがたい眩しさだ。
顔をそむけたり眉をしかめたりはさすがにできないので、途中「先生この眩しさはどうにかなりませんか?」と申し出た。
「がまんだね」とあしらわれた。
つらかった。
オペは約1時間で終了。
無事に済んだようだ。
目をあけると室内の明度に順応できず、しばらく視界不良。
しかもメガネもコンタクトもOFFなので視力も不良。
予想だにしない事態にヘコみつつ、ope室をあとにした。