きょうも一日、
様々な出来事がありましたが、
一日を無事に過ごせたことに感謝です。
ところで、
「死」に急ぐ若者も増えているようですが、
家族や周りの人たちは何故、気づかないのでしょうか。
または、
気づいても手に終えない人もいるかも知れませんね。
僕もむかし、
塾や家庭教師でみてきた生徒の中には、
親や教師は勿論、周りの誰もが手に終えないと言う生徒も複数いました。
周りの誰もが生徒の悩みなや素行などには触れず、
成績や進路の事ばかりに拘っていました。
生徒の悩みや抱えている問題も解決せずに、
勉強の指導しても良い結果は出ませんよね。
20年近く前のことですが、
高校受験が迫った10月頃だったかと思いますが、
ある進学塾からの依頼で訪問すると、
学校でも、家庭でも、塾でも手に終えないという生徒ばかりを集めた教室を頼まれました。
まともに授業できる状態ではなかったので、
勉強よりも、生徒のようすを見ながら問題点を探っていました。
するとある日、
教室へ向かう僕のところへ塾長さんがやって来て、
「キチンと授業をしてください。塾は、教えてなんぼだから」
と言ってきました。
僕が、
「今のままでは、授業にならない。授業が出来るようにしなければ」
と言ってるところへ僕のクラスの最も元気の良いリーダー格の生徒が来て、
塾長さんにタメ口で文句を言ったので止めたが、
塾長さんは何も言えず立ち去りました。
それから数日後、
クラスでリーダー格のその男子生徒が僕の忠告を3回無視したので、
近づいてほっぺをひっぱたきました。
すると、
それまで騒いでいた他の生徒も一瞬おとなしくなったが、
次の瞬間皆が、
「あーっ!先生が暴力ふるった。警察に言うぞ」
「虐待だ、暴力だ、先生がそんなことしていいのか」
と騒ぎだしたので、
先ずは生徒たちを静かにさせ、
何故ひっぱたいたのか、
その理由と今後どうするべきかなど約15分ほど話しました。
そのあと、
残りの時間は静かに授業が出来ましたが、
終わって帰り際にひっぱたいた生徒が、
「今日のことを親に言ってやるからな」
と言って帰っていきました。
そのつぎの授業の日に教室へ入ると、
前回の時にひっぱたいたリーダー格の生徒が一番に来ていて、
その後直ぐに他の生徒も入ってきました。
するとリーダー格の生徒が、
「おい、この前のこと親父に言ったぞ」
と言ってきたので、
「そうか、それで親父さんは何と言ってた」
と訪ねると、
「『お前、いい先生に逢えたな』とか、言ってた」
と言うので、
「そうか、お前の親父さん、いい親父さんだな」
と言うと、
その生徒は照れ臭そうにしていましたが、
それからは皆静かに授業を受けるようになりました。
それに、
それまでは僕のことを「おい」とか「あだち」と呼び捨てにしてたのに、
「先生」とか「あだち先生」と呼んでくれるようになり、
やっと、
まともな授業が出来るようになりました。
それだけでなく、
僕の独特な授業で全員、
成績も上がり希望の高校へ進学していきました。
それからしばらく過ぎたある日曜日、
ひっぱたいた生徒の自宅を訪問すると、
両親が出てきて嬉しそうにお礼を言ってきました。
そのあと生徒も出てきたので、
いろいろ話していると、
僕の学校へ転校したいと言ってきたのでそれは止めるよう説得しました。
他にも、
僕がひっぱたいた生徒は数名いましたが、
全員真面目に勉強するようになりました。
生徒指導で大事なことは、
生徒に暴力を振るって怪我などをさせてはいけないこと。
僕は必ずほっぺを平手で怪我しない程度にひっぱたくか、
中には、僕の手を生徒に殴らせることもありました。
その後直ぐに、
ひっぱたいた理由やその後のことについて説明していたので、
本人は勿論、他の生徒も納得したことでしたので問題になることもありませんでした。
大事なことは、
生徒との信頼関係を築くこと、
3回までは口頭で注意を行い、
それでも姿勢や態度などが変わらなければひっぱたきました。
悩みや問題を抱えている生徒に、
いくら勉強を教えようとしても無理です。
生徒の悩みや問題を解決することが先決です。
多くの学校や塾なども見てきましたが、
生徒の悩みや抱えている問題を無視しているのか、
それとも気づいていないのか、
キチンとした指導がなされていないのも事実です。
そのような生徒が進学して、
あるいは社会に出て問題を起こしたりするようになるのです。
いずれにしても、
教育に携わる者は、
生徒が自ら学ぶ姿勢や環境を作らなければなりません。
教育とは、
今日かを教えることだけが教育ではありませんね。
指導者(教師)の言動、行動など全てが、
子どもたちへの教育です。
子どもたちの観察力は鋭いので、
口先だけの説教では通用しません。
親も教師も、
自らの言動に責任を持ち、
子どもたちの善きお手本とならなければなりません。
今後も一人でも多くの生徒が、
抱えている悩みや問題を解決して受験勉強に挑まれることを願っております。
