一般的には「タイムスリップ」とか、

「タイムトラベル」などと呼ばれている時空間移動ですが、

みつるは、これを「タイムリップ」と呼んでいました。
(以前にお話しした実家の出来事も、もしかしたら「タイムリップ」かな?)

中学生のみつるはある日、ふと目を覚ますと、

側では(母方の)おばあちゃんが縫い物をしていました。

みつるは起き上がると、

外へ出て驚きました。

そこは、いつもの田舎の風景ではなく草原が山の斜面に広がっており、

家もいつもの家ではなくおばあちゃん1人で住んでいました。

見上げると回りはその高くそびえる山々に囲まれておりその上には青空が広がっていました。

そして下の方を見下ろすと、

湖がありみつるのいる場所の下の方、

湖の少し手前には鉄道が走っていました。

その鉄道はみつるから見て左から右のほうへ走っており、

右奥の小さな村の近くで湖が切れていて、

鉄道はその湖に沿って村の中で左へと大きくカーブすると、湖の向こう側の坂を登っていきました。

初めて見る風景に驚いたみつるは、

おばあちゃんの所へ走ると、

「おばあちゃん、ここはどこ?」

と、訪ねました。

するとおばあちゃんの返事は頭の中へと入り込み、

「ここは、スイスのインターラーケンという村だよ」

という言葉と同時に日付が西暦2654年の夏であることが頭に植え付けられました。

おそらくこれは、

夢の中の出来事ではなかったかと思うみつるでしたが、

余りにもリアルな出来事だったので、

友達や周りの人たちに、「スイスのインターラーケンってどんなところ? 実際にあるのかな?」

などと訪ねましたが、

誰に聞いてもそのような名前すら知らないと言うことでした。

それからおよそ10数年過ぎたある日、

スイスに行ったことがあるという人が家に訪ねてきたので、

インターラーケンという名前の村があるのか訪ねると、

スイスに数年間住んでいたというその人でもインターラーケンという名前すら知りませんでした。

ですからみつるは、

やはり夢の中の出来事でもあり、

「インターラーケン」という村も町も実際には存在しないんだと思うようになりました。

ところが、

塾の講師を始めて間もなくのことでした。

夜遅くに帰宅して、

何となく見ていたNHKのテレビで、

スイスの鉄道の旅という番組が放送されており、

「この鉄道は、インターラーケンを通り・・・」

と、そこで初めてインターラーケンという名前と湖に沿って走る列車の様子や、

その辺りの風景などの映像が出ているのを見て、

みつるは、とても驚きました。

というのも、

風景は勿論、湖に沿って走る列車や、

見るもの全てが自分が中学生の頃に見たのと全く同じだったからでした。

その頃もまだおばあちゃんは元気でしたが、

そのおばあちゃんも、

1990年8月に他界しました。

ですから、

もしかしたらおばあちゃんは、

今頃霊界でスイスのインターラーケンの家で1人生活しているのかなと思うこともあります。

それから更に時は過ぎて、

今から19年ほど前に中津市へ来てから間もなく、

あるホームセンターで、

インターラーケンの湖に沿って坂を登る列車の風景のジグソーパズルを見つけました。

そこでまた、

一段とスイスのインターラーケンという村に更なる興味を持つようになりました。

※⬇⬇こちらは、Googleマップのインターラーケン周辺の写真です。


それにしても、

中学生の頃に見たのと現実のインターラーケンが全く同じで、

しかも本当に実在しているとは、

当時のみつるには想像もしていませんでした。

それが、

時を重ね重ね少しずつ明らかになってくる事に、

ただただ驚くばかりのみつるでした。

ーーーーーーーーーーー 続く ーーーーーーーーーーーーーー