ある日の夜、

夢の中で巨大トラックに追いかけられる夢を見ました。

逃げても、逃げても、

どこまでも追いかけてくる巨大トラック。

草むらへ逃げると、

トラックはそのまま目の前を通り過ぎたので、

ホッとして反対の方向へと歩いていると、

再びトラックの音が聞こえ、

突然目の前に現れたのです。

再び走り回り、

雑木林へ逃げ込むのですが、

草や木などを薙ぎ倒しながら追いかけてきます。

やがて、

崖っぷちに追い込まれると、

突然目の前に現れ、

こちらへ向かって突進してきます。

「ぅわーっ、もうだめだー」

っと、思った瞬間に目が覚めて、

着ていた寝巻きは汗でびっしょりでした。

やがて、

夜が明け、いつもの朝を迎えて一安心。

「あ~、夢で良かったぁ」

と、思ったのですが、

その日の夜もまた、

昨夜の続きでした。

場所は変わっていましたが、

あの、無人の巨大トラックが再び現れたのです。

またまた追いかけられ、

必死に逃げ回り、

「ぅわー、もうだめだー」

と、思った瞬間に目が覚める。

そのようなことが連続し、

夜に寝るのが恐くなって泣いたことも度々ありました。

夢のことなので、

母に言ってもどうにもならず。

どのくらい恐怖の夢は続いただろうか、

しばらく続いたあとにその夢は見なくなり、

ホッとしました。

ところが不思議なことに、

まだまだその夢は終わっていませんでした。

3日くらいから5日くらい続いては止まり、

ということが、

数ヵ月から数年おきに起きました。

その夢を最後に見たのは、

ハッキリとは覚えていませんが、

20歳後半ではなかったかと思います。

それにしても、

夢とはいえ、

ドライバーの顔などは見えなかったので多分無人のトラックだと思いますが、

逃げても、逃げても、

たとえ建物の中へ逃げても、

建物を壊して入ってくる。

木の陰に隠れても、

木々を薙ぎ倒してくる。

崖でも、どこへでも追いかけてくる巨大トラックは、

僕に夜の恐怖を与え続けることの始まりでした。

こようなことがあり、

今でも大型トラックやトレーラーなどを見ると、

その夢の恐怖を思い出します。