ある日の午後、
家から山の方へ登った所を通る道路の側壁、
当時は道路が出来て間もなく、砂利道で側壁も赤土がむき出しでしたが、
そこへ自動車のオモチャを持っていって一人で遊んでいました。
手で土を掘っていると、
中から1本の骨が出てきました。
マンガで見た人の骨のようでもあったので、
自宅へ持ち帰り、母にそれを見せると、
「そんなもん、捨ててきなさい」
と言われ、
外へ出ると遠くへ投げ捨てました。
それから何日過ぎたかは覚えていませんが、
当時は夜に寝るときに二間の間にある襖を開けて、
家族5人横一列に並んで寝ていました。
玄関に近い端には僕が寝て、
左隣にはすぐ下の弟、一番したの弟、父、母の順に寝ていました。
僕の方から見て母の奥には少し間をあけて仏壇がありました。
夜中にふと目が覚めてトイレへ行きたくなり、
上半身起き上がると、
母の寝ている方でも誰かが、スーッと上半身を起こしました。
でも暗くて誰だか分かりません。
そこで僕は、
「だれ? 母ちゃんね。母ちゃん?」
と、声かけましたがその人は何も答えてくれません。
しばらく見ていると暗闇に目が馴れてきたのでよく見ると、
僕とは反対側の端に寝ている母は寝たままでした。
その母の更に向こう側で、
長い髪に顔の色が白く、白い浴衣姿の若い女性が上半身だけ起こして、
ジッとこちらを見つめていました。
とても綺麗な女性でしたが、
全く見たこともない女性だったので、
「だれ? あんたはだれ?」
と、何度も声かけましたが、
その女性は、ただ黙ったまま、
ジーッと僕を見つめるだけでした。
その顔は、
少し微笑んでいるようにも見えました。
しばらくその女性を見ていると、
女性の頭や顔が少しずつ薄れていき、
向こう側が透けて見え始めました。
そして徐々に消えていく女性の姿を見て、
その時初めて幽霊だと気づきました。
とたんに、
恐怖が身体を包み込み、
慌てて布団にもぐって朝まで震えていました。
翌朝、
その事を母に話すと、
「そんなことあるはずないやろ、バカなこと言うちょらんで、はよ準備して学校行かんか」
と、怒られました。
しかしその女性の顔や姿は、
長年頭から離れず、
でも、その女性のあまりの美しさに、
その女性に会いたくて、「幽霊が出る」という噂の場所を聞いては夜中に行ってみたりしました。
でも、
残念ながらその女性の霊とは未だに出逢うことはありません。
もしかしたら、
その女性の霊とは、僕が拾った骨の持ち主だったかもしれませんね。
この記事を書いている間でも、
当時のことは、
ハッキリと見えてきます。
皆さんの中には、
「科学が発達した世の中で、そんなことなどあるわけがない」
と、思われる方もいらっしゃるでしょう。
でも、
科学では解けない事実も沢山あり、
死後の世界や神様、霊界、幽霊、心など見えない世界の真実を明らかにするのが、
本来の「宗教」の役割なのです。
「宗教」と「科学」とは、
いわば人間の「心」と「体」のようなものです。
形もなく、その存在を見ることも触れることも出来ないが、確実に存在している「心」。
そして、形もあり、見ることも、触れることも出来る「体」の関係ですね。
誰もが死後には必ず入っていくことになり、霊界の存在を認めざるを得なくなりますが、
それでは時既に遅しです。
生きている間に見えない世界の事を知らなければ、
死んで後悔しても、一度の人生をやり直すことは出来ませんね。
しかし、
不思議な体験はまだまだ続きます。