昨夜の金曜ロードショー(日本テレビ系)を見ていたら、
何故か初恋の女性を思い出しました。
突然この世に現れ、
何も語らず去って行った。
これは僕が小学生だったある日、
現実にあったことです。
当時我が家は、
父の実家から程遠い山奥の開拓地にありました。
まだ電気もなくランプ生活で、
夜中には灯りもなく真っ暗です。
そんなある日の夜中、
トイレに行きたくなりふと、目が覚めました。
上半身を起こすと、
左の方で誰かが同じように上半身を起こしました。
当時我が家では、
右端に僕が寝て、
左隣に直ぐしたの弟、次に一番下の弟、父、母の順に並んで寝ていました。
最初は暗くてよくわかりませんでしたが、
左端に起きたような感じだったので母だと思い、
「母ちゃん、母ちゃんやろ」
と、声をかけましたが返事がありません。
更に、「母ちゃんやろ」
と、何度か声かけましたがやはり何も返事がありません。
目が暗闇に馴れてきて少しずつ様子が見え始めました。
すると、
なんと家族は全員寝ています。
そして、
母の隣に白い着物の女性が上半身だけ起こしてこちらを見ていました。
長い髪が腰の辺りまで伸びており、
白い着物に身を包んだ女性の顔は、
色が白くてとても綺麗な顔立ちの若くて綺麗な女性でした。
「だれ? あんた、誰?」
と、声をかけましたが、
その女性は何も言わず黙ったままにこやかな表情で僕を見つめていました。
あまりにも綺麗だったので、
しばらく見ていると、
その女性の頭や顔が透けていき、
頭や顔を通して向こう側が見え始め、やがて消えていきました。
その時初めて、
人間ではなく、幽霊だと気付き、
恐くて声も出ず布団にもぐって朝まで震えていました。
朝になって母にその事を話したのですが、
「何をバカなこと言よるとね。夢みたいなこと言っちょらんで、はよ、学校行かんと遅刻するよ」
と、全く相手にされませんでした。
しかし、
その後も女性の顔や姿が鮮明に頭に浮かぶようになり、
徐々にその女性のことを好きになりました。
その後も女性に会いたくて、
至るところで幽霊が出ると言う噂があれば、
夜中に出掛けることもありました。
しかし残念ながらその女性にはいまだに会うことは出来ていません。
でも、もしかしたら死後の世界で会うかも知れませんね。
昨夜の金曜ロードショーの主人公のかぐや姫を見ていたら、
何故か僕の見た女性の幽霊のことを思い出して涙が出ました。何で?