今回は、

今から40年程前の出来事です。

当時僕は、

小児喘息で日田市内のとある病院に入院しておりました。

入院したのは確か、

10月頃ではなかったかと思います。

大抵発作が出るのは深夜で、

入院した日も深夜に発作が起きて受診し、そのまま入院することになりました。

病室は2階の個室でしたが、

しばらく経ったある日、

4階の4人部屋へ移ることになりました。

その翌日だったか、

僕の居た2階の個室にはお年寄りの男性が入ったそうでした。

そして僕が移った4階の病室は、

下の図にあるように、

ローカからドアを開けて病室に入ると、

入って直ぐ右側に僕が居て、ドアの左側にAさん、窓際の左にBさん、窓際の右側つまり僕の隣にCさんがそれぞれ寝ていましたが、

91歳のAさんを筆頭にBさん、Cさんも皆さん、中高年者の方々でした。

僕がこの4人部屋へ移って数日後の事でした。

皆が寝静まった深夜1時は過ぎていたとおもいますが、

なかなか眠れず頭まで布団をかけて寝ていると、

足元でドアの開く音がして、誰かが入って来る気配がしました。

「Aさんがトイレにでも行って、戻ってきたのかな?」

と思っていると、

ドアの閉まる音の後に、

ペタペタとスリッパの音を立てて歩く足音が僕の方へ来ると、

直ぐ横でピタッと止まりました。

「あれれ、おじさん、部屋が暗いからベッドを間違えたかな」

と思い、教えてあげようと目を開けて布団から頭を出すと、

そこには誰も居ないどころか、

皆、動いた気配もなく、スヤスヤと眠っていました。

その時は気のせいかなと思って寝ましたが、

翌朝、巡回に来た看護師さんに、

「昨夜、不思議な事があったよ。夜中にドアが開いて、誰かが直ぐ横まで歩いてきたけど、姿がなく音だけが聞こえたよ。誰かが亡くなったのかな?」

と尋ねると、

「えっ!?  そんなことがあった? 実は今朝がた、あなたが居た個室に入った患者さんが亡くなられたんですよ」

と、僕の話に驚いた様子で話してくれました。

それを聞いた僕は、それまでにも何度となく幽霊を見たり、不思議な体験はしていたので、

「やっぱりそうだったんですか」

と、深夜の出来事の訳が分かったので納得しました。

※⬇これが4人部屋の見取り図です。