他のジャンルと比べて
特にミュージシャンの「死」に直面する事が多々あります。
それも病気やアルコール、ドラッグが原因なら
まだしも
突然の事故死と言うのが一番の衝撃。
僕がハードロックを聴き始めた時は
既に
ランディローズ(OZZY OSBOURNE)も
ボンスコット(AC/DC)もこの世には
いなかったので
初めてロックミュージシャンの死を体験したのは
THIN LIZZYのフィルライノットでしたが
今でこそ、THIN LIZZY大好きですが
当時はまだ、聴いたことのないバンドだったので
正直、そこまで実感はなかったのですが
1986年の今日、この世を去った「彼」の死は
今でも忘れる事はありません。
彼の名は
クリフ・バートン
アルバム「MASTER OF PUPETTS」が遺作となった
メタリカのベーシスト、です。
見た目もかなり強面で
どちらかと言うと知的な雰囲気のラ-ズ・ウルリッヒやカーク・ハメットに比べ
クリフとジェイムズ・ヘットフィールドは破天荒で
近寄りがたい雰囲気、と言うイメージ。
リッケンバッカーをベースも砕けよとばかりに
激しく激しく演奏する様は
後に追悼ビデオ「Cliff'Em All」で観ましたが
正に鳥肌モノの迫力。
で、ありながら彼が作曲したり関わっている曲は
どれも繊細でいて激しさを内包している
実はもの凄いテクニシャン。
当時はネットもなく情報が入ってきたのは
彼の死から1ヵ月が過ぎてから。
欧州ツアーの真っ只中
乗っていたマイクロバスが交通事故に遭い
フロントガラスを突き破ってバスの下敷きとなり
その命を絶たれました。
当時、僕は高校1年生でしたが
あまりの衝撃に
しばらく、周りのメタルファン友人が誰もその話題に触れず
ようやく話題に出たのが、新メンバーが決まって
初めての日本公演が終わった1986年の11月でした。
とにかくそのプレイスタイルは変幻自在
ベースがベースじゃないんだよな(笑)
彼のベースがよりフューチャーされている楽曲…
ワウペダルを駆使した「 (Anesthesia)Pulling Teeth」
美しくも物悲しい「The Call of Ktulu」
そして僕の大好きな曲「ORION」
(お借りしました、ありがとうございます)
METALLCA 「ORION」
クリフの凄味が伝わる曲は
どれもどこか奇妙で、それでいて珠玉の
『インストゥルメンタル』曲でのリードベース。
歌がないにも関わらず
聴いていて全然飽きない。
それどころかどんどんその世界に引き込まれていく。
これらの曲はメタリカのアルバムの中でも
特に異彩を放っていました。
僕かクラシックの事はさっぱりわからないのですが
彼はバロック音楽に傾倒していたとの事、
確かに「何となく」ですが、クラシカルなイメージがします。
↑知らんのにかい!(本能で(笑))
そしてこちら…
(お借りしました、ありがとうございます)
METALLICA 「(Anesthesia)Pulling Teeth」
在りし日のクリフ・バートン
この演奏、とてもベースとは思えない。
僕が最初に買ったベースはクリフと同じリッケンバッカー
アイアン・メイデンが好きだったから、ではなく
僕がベースを始めたのはクリフ・バートンがいたからです。
あれから28年
彼がメタリカ在籍時にこの世に送り出された
「KILL'EM ALL」
「RIDE THE LIGHTNING」
「MASTER OF PUPPETS」
この3枚のアルバムは未だ色褪せず
宝物のように他のCD達と並んでいます。
最後は当時BURRN!誌の編集者だった
さこたはつみさんの言葉をそのままお借りして締めさせていただきます。
憧れのベーシスト、クリフォード・リー“クリフ”・バートン
僕はすっかりあなたの歳を超えてしまいました。