「夜の世界の女の子を好きになった奴って、絶対この曲聴くようになるんよね」
(お借りしました、ありがとうございます)
そんな言葉とこの曲「米軍キャンプ」…
例えばこんな物語があれば…その言葉にリアリティがあるかも知れないですね(笑)
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「『米軍キャンプ』って分かるヤツには分かる曲だよ」
…僕が社会人になって2年目くらいの頃だったと思う、
それは職場の先輩が言っていた言葉だった。
と、言う事は
もしかしたらあの頃の僕もそうだったのだろうか?
それともただ仲のいい友達だったのだろうか。
それは今でもなんだか釈然としないんです。
僕が初めて就職した会社はホテルだったので
どちらかと言うと夜の時間帯の勤務が多かった。
そんな中、
仕事が上がってから職場の先輩に連れられて
ある、夜のお店に…いわゆるスナックに行く事になった。
最初は先輩の後ろをついて酒を飲みに行っていたけど
ある時期から自分でもボトルキープして
中にはすっかり打ち解けた女の子もいた。
お店では「Kちゃん」と呼ばれていたその女の子は
年も同じでいつも僕とはお店で喧嘩ばかりしていたけど
先輩曰く
「喧嘩するほど仲がいい」ように見えたらしい。
お店が終わった後で一緒に別の店に飲みに行く、
なんて事もごく自然な流れだった。
「夜の世界」の女の子と「昼間」に遊びに行く機会も増えた。
そして、その娘がお店を変わるたびに僕も行く店が変わっていった。
周りから見ると、どう見ても付き合っているように見えたらしい。
ある日、その女の子の友達を紹介され
その友達も同じ店で働くようになった。
彼女はCちゃん。
年も同じ、更には音楽の趣味も近く
現役でバンド活動中。
共通の話題が多い
僕とCちゃんが仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
最初の頃はKちゃんと3人でお店が終わった後も飲みに行ったりして、
明け方にラーメンを食べて始発で帰る、なんてのもよくあったが
ある時から僕とCちゃんと二人だけで飲みに行く機会が増えてきた。
そしてKちゃんは仕事が終わると、一人で家に帰っていった。
当然ながら3人の関係は非常にぎくしゃくしたものになった。
ある日、Kちゃんがぽつりと言った。
「もう、あの頃には戻れんのよね」
「その日」も僕はCちゃんと二人で飲みに行っていた。
そこでCちゃんから突然の告白を受けた。
「私、明日から大阪で暮らす」
お別れは突然やってきた。
本格的に音楽をやるために彼女は関西方面へ進出するのだと言う。
「がんばれ」
僕はただその門出を祝ってあげるしかできなかった。
その日は早めにお店を出て
ブラブラと歩きながらずっと話していた。
二人ともかなり酔っていたので、
どこかに座って休もう、って
二人が腰かけたのが
2件の雑居ビルの間の狭い狭い段差のあるスペース。
ビルの隙間に腰かけたまま僕たちは話し続け、朝を迎えた。
もう明るくなった朝のスクランブル交差点を
信号が変わった瞬間に別々の方向に向かって歩き出した。
あの日以来、
僕はKちゃんともCちゃんとも会う事はなかった…
そしてある日テレビの音楽番組を観ていると
聞き覚えのある声が…
(お借りしました、ありがとうございます)
その声は
「大好きだよ」
そう歌っていた…
「Letit Go」を知っていますか?
「米軍キャンプ」を聴くと、あの若かった頃の
怖いものも何もなかった、恐ろしく自由な時代を思い出します。
そして聴く度にあの頃のほろ苦い思い出が心をよぎるので
「大好きなのに大嫌いな曲」なのです。
学生時代から聴いていたこの曲を
こんな形で聴けなくなったのは、僕が少し大人になったからでしょうか?
…さてさて、この話
どこまでホントでどこまでフィクションでしょうか~(笑)