『彼』から
発せられる歌やメロディは
ともすれば、「反体制の象徴」「反抗する若者の代弁者」と言った
ニュアンスでTV番組などでも取り上げられるきらいがあるのですが
実は『彼』の発する言葉は、
『悪』になろうとしてもやっぱりなりきれない
そんな劣等感から生み出された言葉なのではないかと思うのです。
かく言う僕もどことなく「不良へのあこがれ」的なモノはありましたが
結局はとんでもない『ワル』でもなく
(だって喧嘩弱いもん)
かと言って真面目でもないという
(何回か停学になりましたし)
そんな中途半端なポジションで学生時代を過ごした一人だったのです。
『可もなく不可もなく』と言うのが
僕の中ではとても卑怯なイメージがあり
そんな葛藤から
大ファンでないとは言え『彼』の歌を聴いていたのかも知れません。
なので、夜の校舎の窓ガラスを壊してまわった事もないですし
盗んだバイクで走りだした事もありません(笑)
あれから今日でちょうど21年が過ぎ、
僕は彼の年をすっかり超えてしまいましたが
今でも彼の歌を口ずさんで、カラオケで歌うこともしばしば。
思えば、誤解されやすい人だったのかも知れないですね。
「卒業」を耳にした長女が一言
「どんなに真面目に生きて先生の言う事聞いてても、この歌聴いたら『所詮そんなもんなの?』って思うんかな?」
彼の言葉に少しでも心が動くって事は、きっと心のどこかにそんな思いがあるんだろうね。
ともすれば、
学校の先生や親よりも説得力がある言葉となりうる可能性を秘めているんでしょうね。
尾崎豊・・・
決して上手いシンガーではなかったと思いますが
彼の伝えたい『思い』や『魂』みたいなものは
痛いほど伝わってきました。
空の上の彼は
今も歌っているんだろうか?
僕は彼の反体制的なメッセージソングよりも
友人との絆を描きながらも、いつも孤独になる事に怯えている・・・
そんな「揺れる心」を歌ったこの曲が大好きです。
(お借りしました、ありがとうございます)
『Freeze Moon』
彼が亡くなった1992年の春
僕が大学4年になったばかりの頃に
バンド仲間の呼びかけで急きょ実現した
追悼ライブに参加させてもらったのですが
僕はこの曲を選び、歌いました。
あれから随分経ったなあ、
あの頃の仲間もすっかりオヤジになってるんだろうな(笑)
もちろん、僕もですけどね(笑)