OPC(お茶の水・プロフェッショナル・サークル)講演 | 美容師 山野光夫のブログ

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美容師歴30年。美容を通じて感じたことや教員として思うことなどを書き綴ります。

こんにちは。山野光夫です。

今日のBlogは...

 

 

OPC(お茶の水・プロフェッショナル・サークル)

 

 

での講演のお話です。

 

OPCとは、東京女子高等師範学校附属高等女学校と

お茶の水女子大学附属高等学校卒業生の同窓会サークルのことです。

 

 

 9月22日(土) 12:00~ 9月の常会が開催されました。

 

テーマは、

「明治から平成まで女性を支えた紳士~山野愛子の夫・山野治一物語」

と題し、         

 
山野愛子の生い立ちから山野治一との出会い、
美容の山野の歴史から生み出された「美道」の話、
山野愛子秘話などをお話し、オススメの「美しく生きる」
ワンポイントアドバイスをお楽しみ頂きました。

 

 

 

場所は、お茶の水女子大学内の作楽会館です。

 

以下、当日のお話のダイジェストです。

 

明治から平成まで女性を支えた紳士〜山野治一物語

 

時、明治40年12月10日、長野県の辰野町で山野治一は、

8人兄弟の次男として誕生しました。

汽車好きから鉄道郵便局での臨時雇を経て上京し

東京鉄道郵便局で働く傍、琵琶を習い師範の資格を取って琵琶教室を営んで居たようです。

 

この教室が、順調に進めば進むほど、赤字を生んで経営は逼迫し、

22歳の時、既に200円の借金を抱えていたそうで、

とうとう、

 

「俺、婿に行くから結納をいっぱい出してくれる人を紹介してくれ」と、

周りの人々に言って回ったそうです。

 

そこで「山野愛子」との出逢いとなりました。

山野愛子もまた、一風変わった考え方で、200円の結納金を出し、

10年の契約結婚、子供が一人生まれるごとに、店を1店舗作る。

 

といった、契約結婚を前提に二人は結ばれ、生活をスタートさせていったようです。

 

(山野治一・愛子の結婚当時の写真)

 

結婚後、しばらくは鉄道郵便局を辞めずに居たようですが、時代は西洋化の波に乗り

これからは、「パーマネント」の時代と、夫婦で話し合い、治一は一念発起。

研究を重ね輸入品で高価なパーマネントの機械を購入し自ら操作を学び、

鉄道郵便局の休みの日はパーマ師として山野愛子と店で働く日々を過ごしていたのですが

噂が噂を呼び、ついに、鉄道郵便局の詰所まで、お弟子さんから電話が鳴るような事態に

なって行きました。

 

とうとう、上席に退職を申し込み、何とか退職した後、琵琶の教室活動も辞め、

山野愛子を世界一の美容師にすると志を立てて、以後死ぬまで、美容家・山野愛子を

支える人生を過ごしました。

 

 

 

皆様、この時代の背景はご存知だと思いますが、「女性は男性の一歩後ろを歩く」と

言った時代です。故に、女性を支えて行くと発起した治一の発想はユニークであり、

恥や外聞も気にせず、継続したということは、後の息子や孫たちにとっても、

良い意味で影響を及ぼしています。

 

美容の業界は「女性を美しく」と時代は変われど、本質は変わらず…。

孫の代になってもその精神は引き継がれています。

 

今回、OPCでお話させて頂く機会を頂き、美容家・山野愛子を陰日なたで支えてきた

山野治一が、山野愛子を支えて来たことが、「髪結い」という立場の美容師を

「先生」と呼ばれる様に免許制度を構築し、大学を立て「高等美容教育」を、

実践して来たことで現代、世界での日本人美容師の評価となり、世界各国で

日本人美容師が活躍できる場を創れたことは、身内は元より業界内での功績として、

今も語り継がれていることをお伝えさせて頂きました。

 

明治・大正・昭和と高度成長期の日本と共に、時代を楽しんで来られた皆様にとって、

ファッションやヘアスタイル、メイクなどは欠かせないアイテムの一つだと思います。

 

僕は常日頃、外見を整えると言うことは心を写す鏡で、特に髪は、お顔の額縁と考えています。

 

故に、個々の特徴に合ったスタイルをご提案させて頂く為に、技術を磨き時代の流れを読む。

 

そして、最的確なご提案をさせて頂く様に心がけています。「髪・顔・装い・精神美・健康美」。

 

美道五原則として、山野愛子・山野治一が提唱していました。

 

この五つのエッセンスをバランスよく取り入れて、日々美しく過ごして頂ければ、

山野愛子・治一の思いが一人でも多くの方々の幸せに繋がるものと思っています。

 

ぜひ、歳や性別に関係なく「元気に過ごす為に」意識してみてはいかがでしょうか?

 

きっと、新しい自分を発見できるかも知れません。

 

 

すなわち、「心の老化」のアンチエイジングに繋がることでしょう。

最後になりますが、この様な、歴史ある会でお話させて頂く機会を与えてくださったこと、

皆様とお会いできたこと、心からの感謝と共に皆様が健康的に、「美しく」お過ごし頂ける

ことを心から祈念させて頂きます。ありがとうございました。