2021年6月12日の北國新聞で「西洋わさび」を使ったイノシシ避けを紹介してもらいました

 

 

これは西洋わさびはイノシシが2度目から食べないことから始めた方法でした。欠点は西洋わさびは酸性土壌では根が大きく育たないことがあげられます。能登半島は赤土の酸性土壌が多いので使える場所が限定されることが問題でした。それでいろいろな方法を組み合わせることにしました。出来上がるまでに2年以上かかってしまいました。

1.ほ場の出入り口にはプラパレットを設置しました

イノシシなどのひづめのある動物には「テキサスゲート」を使う方法がありますが、側溝のふたで使う「グレーチング」も有効です。でも盗難被害があることが欠点です。電気柵も盗難があるし死亡事故が起きたことがあるので使いたくないんですよ。それで強度があって軽いプラパレットを代用しました。

 

 

 

2.ミントとバジルと西洋わさびを組み合わせました

イノシシが掘り起こさない作物に西洋わさび以外にアピオスとミントとバジルがありました。アピオスはイノシシよけで使わないので省略します。ミントについてはアップルミントを虫よけで建物の周囲に植えていて気がつきました。でもアップルミントは1m以上の背たけになるので、地面に広がってグランドカバーで使えるペニーロイヤルミントを採用しました。2019年から生態系への悪影響を調べていましたが、境界をはっきりさせれば大丈夫そうだと判断しました。バジルは今年から栽培試験を始めて気がつきましたが、冬は枯れるので夏野菜と秋野菜をイノシシから守るために使えると思います。景観を考えるとホーリーバジルの方が良さそうに思えました。

西洋わさびとペニーロイヤルミントとホーリーバジルの3段構えですが、ここからは侵入した形跡は見られませんでした。

 

(2023-10-22 にんにくの芽が出てきましたが、畑の中をイノシシが歩いた跡がありました)

 

(西洋わさびとペニーロイヤルミントが広がっていない反対側から入られました)

3.西洋わさびもペニーロイヤルミントもバジルも柵のように取り囲まないと効果が期待できないようです

ここのほ場では2020年から実証試験をしていました。それで気がついたことは苗が小さい時は荒らされることでした。そして大きく育っても柵のように栽培している作物の周囲を取り囲まないと侵入されて掘り起こされました。今年になってバジルでも侵入防止の効果があるようだと分かったので、2016年ごろから取り組んでいたイノシシよけの形がやっと出来上がりました。

 

(2021年2月のほ場の様子です)

 

 

(2023-10-20 現在のほ場の状態 西洋わさびとペニーロイヤルミントが増えました)

 

(2023-10-22 イノシシに掘り起こされました)

 

(2023-10-22 ペニーロイヤルミントのそばまで掘り起こしてます)

 

(2023-10-22 スイートバジルです。すぐそばまで掘り起こされましたが無事でした)

 

(2023-10-22 西洋わさびです。そばまで来ますがイノシシの食害の被害にあいません)

 

(2023-10-22 ヤーコンが中にありますが、西洋わさびから離れていたものは食害の被害にあいました)

 

ヤーコンについては栽培1年目はイノシシの食害の被害は見られませんでした。翌年の春先の苗の頃と9月から10月にかけてのヤーコンイモが肥大化を始める頃に食害にあいました。その年以降は味を覚えたんでしょう。侵入するようになりました。それでも

西洋わさびとペニーロイヤルミントでしっかりと囲めば被害にあわないという感触を得ることができました。