私のキャリア・カウンセリングのクライアント、M君男子
初めて来たときから、かれこれ、もう7ヶ月がたちます。

7ヶ月前、会社を辞め、
もっと自分に合う仕事をみつけたいと、
M君は転職活動を始めたのです就活 男性

ところが、なかなかうまくいきません。

応募しても、応募しても、応募書類は通らず。
また、たまに面接まで行っても、
面接官にはきびしいことを言われ、
なかなか採用に至りません泣

受けた会社はもうかれこれ50社近いでしょう。
その中でもほんの数社、内定をくれるところもありました。
しかしその貴重な内定を、自分から断ってしまう始末・・・うそ~

内定を断ってしまう理由は、たいていは、
「よく考えると、自分のやりたい仕事じゃない」

この7ヶ月間、働かず、実家で暮らしてきたM君。
転職活動にも、スキルアップにも、
なかなか身がはいらず、時間ばかりが過ぎました。

でもこの7ヶ月間、何度も彼の頭をよぎったのは、

「俺って何やってんだろう」

そして本人いわく

「考えてばかりいて、何もできない」

やりたいことを聞かれてもそれが何かはわからない。
でも目の前にあることが、
やりたいことでないことはわかるのです。

もう7ヶ月も経って、仕事に就けないM君は、

「とにかくもう働きたい」
「心を入れ替えて、とにかく就職する」

しかし、それは毎回口にする言葉で、
今日、私のところに来た時も・・・

「実は内定もらったんです」
「え!?すごいじゃない。おめでとう」
「・・・でも断ってしまいました・・・」

こんなM君に、ずっといらついていたのが、
正直な私の気持ちですいらいら

でも、今日はM君が、いつもと少し違うように見えました。
事態は私がこれまで思っていた以上に深刻なのかもしれない、と
ふと、そう思ったのです。

今日の私は、いらつく気持ちはなく、
M君の話をじっくり聴くことに決めました耳

話をていねいに聴くうちに、
M君は自分のことをなんとか変えたいと、
苦しんでいるようでした><

私が彼にいらついていたように、
いや、それ以上に、
彼自身が自分にいらついていたのです。
この7ヶ月間、ずっと。

「就職が決まらないのは、
 自分に問題があるんです」

M君は自分のことを冷静に見ていました。

今回、内定を断ってしまったことも、
とても後悔しているようでした。

「仕事もないくせに、
 なんだってしなければいけないはずなのに、
 自分は甘えている・・・」

一通り話してもらうと、M君は

「転職したいと思って仕事を探して、
 何もできないまま、もう7ヶ月も過ぎてしまった」

と自分自身に失望している様子でした。

M君の話をずっと聴いていて、
そしてこの7ヶ月間、彼を見てきて、
私が思ったことを彼に伝えました。

「これはただの転職じゃないね。
 それだったらもうとっくに決まっている。

 今、あなたは自分を変えようとしている。
 だからこんなに苦しくて大変なんです。

 自分を変えるということは、
 本当につらくて時間のかかることです。
 自分を変えない方が楽だから、
 そのままでいる人のなんて多いことか。

 でもあなたは、今、一生懸命、
 自分を変えようとしている。
 そのためにこの7ヶ月を使ったんですね」

そうすると、M君はうっかり泣きそうになりながら、

「やばい」

と言って、笑いました。

自分を変えようとして7ヶ月間頑張っってきたM君。

でも、ふと思えばそれは私のことだったのかな。

私も、M君のことを本当に理解するのに、
自分の思い込みや決めつけを手放すのに、
7ヶ月間もかかったのかもしれないですね。