レイ
「あなたたちは、
神は敗北したと言いたいのですね。」
かず君
「え？」
レイ
「このままでは、世界が戦争へ向かう。
このままでは悪い人たちが、インフルエンザワクチンを開発する。
このままでは、マスクを使って人類を低酸素状態にする計画が進んでいる。
これら全ての陰謀的な思想の根底には、たった１つの信念が流れています。
神（善の象徴）は、どこかの時点でもう敗北したと。」
かず君
「いや、そういうわけじゃないけど・・・。
大げさだなぁ。神が敗北しただなんて。
でも、アメリカとか、メイソンとか、なんか悪そうなヤツラが、
人類奴隷計画みたいなさぁ。
なんだか世界は、悪い方向へと進んでる気はするよなぁ。
環境破壊も、経済格差も。」
レイ
「それが、こういう思想なのです。
神は、どこかの時点で敗北したと。
だからこそ、悪が思い通りに世界を運営していると考えられる。
でも、違います。
それは、勝手な予測です。
ちなみに、『神の敗北』は、いつ起こると思いますか？
それは、あなたたちが世界の行く末を信じられなくなった時です。
あなたたちが、自分の人生の主導権を外部コントロールへ委譲した時です。
「私の人生は、きっと悪い方向へ向かっているに決まっている。」
「世界は、悪い人たちに乗っ取られている」
そういう思想の全てを「神の敗北」と呼ぶのです。
別に、どこかにゼウスのような絶対神が必要なのではありませんし、
その者が、誰かに負ける神話でもありません。
自分の人生は、きっと悪い方向に行くに決まっている、
世界は、きっと悪い人たちによって戦争へ向かう、
そう思った時が『神の敗北』なのです。」
未収録『レイ』より。
あなたの世界で、神はもう「敗北」しましたか？
「人生は悪い方向へ向かっている」
と思った時、あなたの神は敗北しました。
でも、そう信じていないなら。
要するに、「まだ神は敗北していない」と信じているなら。
今、人生がどんな『場面』であれ、
そこから、逆転劇が始まるに決まっています。
だって、あの神が負ける訳ないのだから。
悪く見える『局面』も沢山あるでしょう。
それが、人生です。
でも、そのままバットエンドを迎えるのでしょうか？
神は、どこかの時点でもう「敗北」したのでしょうか？
いいえ。
映画の感想は、映画が終わった時にしか言えません。
人生の感想も、人生が終わる時にしか言えないのでしょう。
もうすぐお盆。
「先祖」も、立派な「神さま（目には見えないけど信念を託したい存在）」ですね。
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新刊『レイ上巻』において、落丁本が発生しています。
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このたびは、落丁版が発生しご迷惑をおかけしました。
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さとうみつろう
日本の作家・ミュージシャン。中１の長男コクトウ君と、小3の長女ザラメちゃん、最近１才になった次女ミリンちゃんの３児のパパ。石垣島で生まれ中学は大分県、大学は北海道。社会を変えるためには「1人1人の意識の変革」が必要だと痛感し、大手エネルギー企業から独立。本の執筆や楽曲の発表を本格化し、初の著書がシリーズ累計30万部のメガヒットを記録。10代の若者を中心に多くの支持を集める。ところ…
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