スコーピオン&スネーク | ミツキ・ミキの「あばイズム」

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昭和⇔平成⇔令和、本日も想い出迷子中。

梶芽衣子ファンとしては絶対観なきゃ! と思っていた、さそり監督の新作『スコーピオン&スネーク』。
高円寺の円盤というCD喫茶(?)での上映会に行ってきました。


以下、少々ネタバレなんでヨロシクです。

二人の仲良し美少女、「おろち」と「さそり」が主人公なんだけど、ほとんど本筋には絡んできません。
陽光の下、二人で楽しそうに歩いたり、象徴的な存在。

お話の主役は、少々頼りない画家・ノブを演じる、津田寛治さん。
漫画家の彼女のウチに居候してるんだけど、ゴスロリなアシスタントの片想いに巻き込まれ、逆恨みでセクハラ男に仕立てられてしまうことに。
誤解した彼女に家を叩き出され、散々なノブ。

その後、ヌードデッサンをお願いしたモデルにボコられたり、女装癖の男性とイイ感じになったり、わけ分からん闘いに巻き込まれたり、愛の迷宮に迷い込んでいくことに・・・(この辺かなり支離滅裂な展開だけど、なぜか津田さんにガッツリ感情移入できた)。

男と女、男と男、女と女。
二つの性を行き交う、愛と憎しみ。
互いに傷を舐めあい、共通の敵をつくり出して凶暴化する女子軍団に対し、孤独な闘いを余儀なくされる男(この辺の性差も妙にリアル)。
化粧を施してもらい、男性という衣を脱ぎ捨てることで、やっと傷を曝け出すことができるって、男のプライド故の哀しみを感じたなぁ。

80分という短い映画でしたが、いっぱいの思いが詰まってるのを感じました。
出てくる人達がみんなキラキラしてて、演じるのが楽しくて仕方ないって気持ちがスゴく伝わってきたよ。
赤と黒が印象的な映像も美しかった。
また機会があったら、是非もう一度観てみたいです。