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DEAGOSTINI 戦国甲冑をつくる

奥州の覇者、隻眼の猛将、伊達政宗。

弦月の前立てで有名な「黒漆五枚胴具足」を

可能な限り当時の材質と工法で再現します。





代替臑当の到着


皆さんいかがお過ごしでしょうか。

金箔のカスタマイズが終わったのも束の間、今日、家に戻ったら臑当の代替品が届いてました。

さっそく中身を確認・・・・・





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射向の家地と裏地、馬手の家地と裏地、威糸が200cmと、解説文書という内容。





射向(右)の鉸具摺

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馬手(左)の鉸具摺

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いかがでしょうか。

射向(右)の鉸具摺のほうが若干、皺(シワ)が荒いことが確認いただけますでしょうか。

完成している馬手(左)の鉸具摺が皺が荒いんで、結局、臑当両方の皺を揃えるとなると、射向(右)の鉸具摺の作り直しが必要ってことになります。





解説文



お客様各位


日頃より、『週刊 戦国甲冑をつくる』に格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

この度は『週刊 戦国甲冑をつくる』第51号パーツ3と第54号パーツ4の「臑当家地」皮部分の質感が異なっていたとのこと、お客様にはご迷惑とご心配をお掛けいたしました。

加えて代替品の送付にたいへん時間がかかり、心よりお詫び申し上げます。


本商品で提供いたしました皮について工場に確認しましたところ、「皮は部位やなめし方によって質感に個体差が生じるものであること」また「51号と54号に分かれて左右のパーツが提供されたことにより、皮表面の皺の文様と質感が左右で違ってしまう可能性があった」ことが判明しました。

そこで質感が異なった商品がお手元にあるお客様へは代替品として、皮の質感が類似する下記のパーツセットをお送りいたします。


<左(馬手)>

● 51号 3 臑当家地

● 51号 4 家地裏

● 51号 5 威糸 (200cm)


<右(射向)>←(解説分では馬手とミスって表記されてましたw)

● 54号 3 家地裏

● 54号 4 臑当家地


ご面倒をおかけいたしますが、お手元のパーツに応じて該当パーツをお取り替えいただき、伊達政宗所用(解説文では所要と誤字w)の「黒漆五枚胴具足」を末長くご愛用くださいますようお願い申し上げます。

最後に今後とも弊社へのご愛顧ご愛顧を賜りますよう、スタッフ一同心よりお願い申し上げますとともに、お客様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。




敬具





・・・・・とのこと。


なにはともあれ、代替品が届いて本当によかったです。

皆さん方お一人お一人の声がなければ、この代替品の発送は実現しなかったでしょう。

デアゴにお声を上げていただいた皆さんお一人お一人にありがとうの気持ちでいっぱいです。

本当に・・・・・本当にありがとうございました。


皆さんのほうはいかがでしたでしょうか?

引き続き情報をいただければありがたいです^^





ありがとうございました。














金箔押し

予てより計画していた、前立の“金箔押し”にチャレンジしてみましたので、少しでも皆さんのお役に立てたらと思い、お節介ながらここにご紹介させて頂きます。

金箔押しとペイント塗り、悩みに悩みましたが、やっぱり当時の前立を可能な限り再現するという意味で、金箔の素材は魅力的です。

なにぶん初めての経験のうえ手探りの作業だったもので、突っ込みどころ満載な記事にはなると思いますが宜しくお付き合いお願いします^^;





使用したもの

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◆ 金箔

カタニ産業株式会社
金箔3号色 10枚 2,250円

金箔の色合いは数種類用意されてます。
購入したものは銀が配合されており、純金より多少明るめです。


◆ ハクがつく

カタニ産業株式会社
金箔用接着剤 10g 1,000円

シンナーなどの薄め液で10倍に薄めて使用します。


◆ 薄め液

◆ 水彩筆

◆ 綿手袋

◆ ガーゼハンカチ

◆ 小鉢

◆ ピンセット



その他、画像として納め忘れましたが・・・



◆ メイク用チーク

◆ ハサミ

◆ 極細ペーパーヤスリ



のちほど紹介する“透明ラッカースプレー”も使用しました。





接着剤をつくる

金箔を素材に接着させるための接着剤を作ります。

前立の側面にある、表面と裏面を貼り合わせた時に出る繋ぎ目のバリを極細のペーパーヤスリで平らにし、前立に付いている油分や水分もここで取っておきます。





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金箔用接着剤を小鉢に適量落とします。





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金箔用接着剤の10倍の量の薄め液を落とします。





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筆でよく混ぜれば金箔用接着剤の完成です。





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完成した接着剤を、金箔押しする面に筆で塗り、数分放置します。

薄め液が完全に揮発して“ハクがつく”だけが残ることによって塗布部がベタ付きます。

ベタ付かないようなら、塗ったものを薄め液で完全に除去し、金箔用接着剤を作った小鉢に“ハクがつく”を適量追加します。

ふたたびよく混ぜ、前立に塗っていきます。

ここが第一関門です。

くどいようですが、塗布部がベタ付かないと、せっかくの金箔が剥がれて無駄になってしまいます。

塗布面がベタ付くようになるまで根気よく金箔用接着剤を作ってください。


塗布部がベタ付くようになったら、塗布部をガーゼなどの毛羽立たない柔らかい布で軽く拭き取ります。

拭き取り過ぎても、拭き取りが甘過ぎてもダメです。

拭き取りが甘いと、仕上がりの表面が荒くなりますし、拭き取り過ぎると、金箔が安定してくれず、簡単に金箔が剥げてしまいます。

ここが正念場です、金箔押しの作業で一番大切なところですので、多少の金箔の無駄は覚悟しなければいけないかもしれません。

のちほど、なるべく金箔が無駄にならないように金箔を小分けにする方法をご紹介しますので、作業を進める前にまずは記事を読み進めていただけたらと思います。





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10cm真四角でカットされた状態で販売されてる金箔を、画像のように前立の一番幅のある部分より余裕を持ったくらいの寸法に、10枚が重なった状態でカットします。





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金箔は一枚一枚、薄い紙が挟まってます。

薄い紙ごと一枚の金箔を取り、なるべくシワにならないように前立に乗せます。

前立に金箔が乗ったら、薄い紙を横にすべらせ、取ります。

この時に、金箔が破れたりシワになったり、金箔が付かずに隙間が出来ても、のちほどの作業でフォローできますので、続けて次々と金箔を乗せていきます。





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前立の片面全面に金箔を乗せただけの状態です。





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金箔と金箔の間に隙間ができた一例です。

出来た隙間よりやや大きい金箔の破片を、隙間の箇所に他の金箔に重ねるように乗せます。





ごめんなさい・・・・。

ここからは作業に夢中で画像を用意してません。

テキストだけの説明になりますがご容赦を^^;





乗せた金箔を、ガーゼなどの柔らかい布で優しくポンポンと上下に押していきます。

布を横に滑らせると金箔が剥げたり隙間が出来てしまうので、必ず上下に叩いてください。

“金箔押し”と言う名前の由来がここで再確認できると思います^^

さらにくどいようですが、冒頭で作った金箔用接着剤の善し悪しがここで出ます。


金箔と金箔の間にできた隙間もここで再確認します。

先ほど説明したように、小さな金箔片を重ねて押してください。





仕上げ

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できるだけ毛の柔らかいメイク用チークを使い、金箔の重なり合った部分や、前立からはみ出した部分の金箔を優しく払い落します。

隙間を埋めるために重ねた金箔もここで払い落します。

万が一、チークで払い落す作業で金箔が剥げてしまう箇所が出来たら“剥げた部分にだけ”金箔用接着液を塗り、その箇所だけに同じ作業を繰り返してください。

数分放置したのち、ふたたびチークで払い落すことで簡単に修復できます。





コーティング

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僕の場合、セレクトで購入したアクリルケースに納めるので必要ないかとは思ったんですが、やっぱりここは保護しときます。





金箔押しの完成

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いかがでしょうか。

用意した金箔で、前立の裏表両面がじゅうぶんに押せました。

初めての経験でドギマギしながらの作業でしたが楽しくできました。

記事で説明し切れなかった不明なことなどあればお気軽にコメントにてぶつけて下さい。

喜んでお返事させていただきます。

皆さんの前立が素敵にカスタマイズされますように。





追伸


あとは間近に控えた臑当の到着を待つのみ。

臑当をまた作り直すことを考えると気が滅入りますが、皆さんとこれからもお付き合いできると考えればテンションも上がります^^

アクリルケースの到着に間に合えばいいんだ、なーんて呑気に構えてます^^;


これからまだまだお付き合いが続きますがよろしくお願い致します。





ありがとうございました。


完結号

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今号のパーツ

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時代考証に関係ナッシングのプラスチッコス製の受け筒、前立・・・・・。

木製であれば手の加え甲斐もあったんですが・・・・・。

完成した甲冑を眺めればユーザーは折れるだろう的な策略。

俺は絶対に妥協できません。

これでは安物の五月人形にも劣ります・・・・・。

頑固オヤジでごめんなさい、曲がったことが大嫌いです・・・・・。


ま、ぐずってても仕方ないので、製作を進めてまいりましょうか。





甲冑を仕上げ・・・・る?(笑)

前立、旗指物の受筒、兜鉢の緒を組み込んでいきます。

後ほど詳しく説明しますが、旗指物の受筒を固定する威糸と、兜鉢の緒の先端を留めずに作業を一時中断させています。

組み立てテキストでは木工ボンド両端のクチをそれぞれ留めています。

先般、問題となった鉸具摺のパーツ違いが解決し次第、メンテナンス、完成詳細画像と動画を含め、記事にしていこうと考えています。

まだまだ記事は続きそうです。

皆さん、宜しくお付き合いくださいます様に・・・・・。





旗指物の受筒を後胴に組み込む

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旗指物の受筒の下部のふたつの穴に、後胴の布団から出てる威糸(2本)を使い、後胴に固定します。

旗指物の受筒にある2つの穴周辺のくぼんでる方をこちら側に向け、後胴の布団から出ている威糸を反対側からそれぞれの穴に通し、蝶結びで一時中断します。

組み立てテキストでは、玉留めにした後に、威糸の両端をそれぞれ木工ボンドでバラけ防止を施しています。

画像で御覧いただいたように、穴に威糸が通しにくい場合は、威糸にもともと尖りがあるので、尖りに縫い針や爪楊枝などを沿わせれば容易に通せます。





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受筒の栓を、受筒の栓のくぼみがある箇所までぴったりと受筒に差し込みます。

受筒の栓の接着は今回は保留です。

組み立てテキストでは接着をしています。





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合当理の輪の上から、受筒の金具の幅の小さい方を通し、そのまま受筒の栓に差し込みます。



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画像のように、受筒の栓と受筒の金具をぴったりと付けます。





兜鉢の緒を兜鉢に組み込む

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兜鉢の後方の、忍緒の鐶に忍緒を通し、忍緒の長さを均等に調整します。





以下、忍緒を結びつつ、忍緒の鐶に通していきます。
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兜鉢を鎧立に設置し、画像のように、面頬のアゴ下の部分で忍緒をひとつ結びします。





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結んだ緒を、鎧立の横棒(耳の後ろ辺り)に引っかけ、再度、アゴの下で今度は逆結び(テキストでは逆結びの指定なし)をします。





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結んだ緒を、首の後ろへ持っていき、アゴの下と同様に2つ結び(テキストでは結ぶとしか表記されてない)で仕上げます。





冒頭でも触れましたが、まだ未完成なので、完成画像などは先送りとさせていただきます。


先般の案件についての温かいコメントを多数いただきました。

この場をお借りし、深く感謝し、お礼とさせていただきます。

皆さん、本当にありがとうございます。