羽田を飛び立った飛行機の中で
暇に任せて機内誌を手に取った。
ぱらぱらめくると、
たった1ページだけれども
奄美大島についてエッセイが載っていた。
そこで、旧盆の九月に島の集落で
「八月踊り」が行われているのを知った。
都市と呼ぶには小さすぎて、
集落と呼ぶには大きすぎる名瀬に旅の荷を解いて数日。
あまりにも夜が暇すぎるから宿のママチャリを借りて、
ぶらぶらと出かけることにした。
島の夜は早く、飲み処ぐらいしか明かりが付いていない。
ふと、わき道へ入ると、太鼓の音がどこからか聞こえてきた。
ふらふらと音のする方へ自転車を漕いで行く。
小さな公園で人が輪になって踊っている。
屋台もなく、お祭りのようなお祭りでもないような、そんな雰囲気。
でも、踊っている人々は笑顔で楽しそうだ。
見上げれば、まあるい月。
これがはじめて見た八月踊りだった。

